【全米が】なんか笑える霊体験【テラワロス】外伝9
355:739◆Al9ki804zA 08/11(水) 15:27 j5cQ72bS0

今から一年ほど前のこと、
政府のGotoキャンペーンで長野は軽井沢にホテルのサービス目当てで宿泊を決めたんだ。

そして現地ホテルに到着して浮かれたまま綺麗に整えられた植栽に心の中で話し掛けた。

「(こんなに丁寧にされてて、いい暮らしをしているのね)」
飽くまで、内心独り言で、ある。

のに、

――よくはないけど悪くもないね

という思わぬマジレス。

( ゚Д゚)

硬直が解けるのに2秒はかかったんだ。


――――
356:08/22(日) 16:00 DJ6PeDzv0
なんでまたそんな、祖霊さんから邪険にされんといかんかったのか、と
思っちまうんですがね
357:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:43 zZaDaoB60
少なくともネカフェ一棟分を消し飛ばした話


それは今から数年程前に、イベントの話し合いで池袋のネカフェ個室に集まったときのことだった。

先に言っておくと、池袋は個人的には用がなければ近付きたくない場所である。
視えることはなくとも視えるまでに至れない、明確な自我を持つまでにも至れない、レベルのイヤなモノが、蠢き、吹き溜まり、意識を耐えず隙のあるものへと張り巡らせている。喩えるならば不可視の大小不問なアメーバやヒルのようなものがあちらこちらにあるようなカンカクである、私には。
とはいえ飽くまで「用がなければ」であり、「用さえあれば」フツーに赴く場所でもある。イヤなだけであって怖い場所ではなく、その「イヤさ」すらも、各種イベント(毎年の池袋ミネラルやメディアコラボとか)の前には瑣末すぎるものでしかない。コッチに気を向けるだけで、基本何をすることもないのだから。私には。せいぜい、向けられる意識にキモさを覚える程度で。

さて、先方は当然私のこんなカラダを知ることもないため、全員が集まり易く、長い話し合いが出来る場所として池袋のネカフェ個室が選ばれたわけである。持ち込みフードも自由で、ドリンクはフリー、防音も利いているため、どんなに騒ぎ散らかしても問題はない。実に合理的である。勧めてくれたのは、池袋を良く使っているヒトだった。

そして、予定や役割分担を飲み食い楽しくキャアキャア騒ぎながら進めていったのだが、暫くして、急激な眠気に私は襲われた。

自宅から池袋まで結構な時間がかかるのに朝が早かったから、
仕事の疲れがここに来て気が緩んで出てきたから、
いやいや、デパ地下デリやスィーツを貪り食って満腹になったから、
など、思い当たる節がありすぎて、或いはその全部だろうと然程気に掛けないまま、軽い仮眠を申し出て、私は眠気のまま横になって目を閉じた。
358:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:44 zZaDaoB60

その瞬間、入眠とは呼べない恐ろしい速さで意識が落ちていくのがわかり、このまま気持ち良く夢も見ずにぐっすり仮眠が取れるのだろうな、と、思っていたら、
ふと落ちていく意識の速度に歯止めがかかり、ゆっくりと意識がその場に留まっていくのがわかった。
体は眠った状態で、眼は閉じたまま意識の向こうに引っ張られ、た、瞬間、
横になっている私に、半透明の球形のようなモノを被せてその上から更に覆いかぶさっているしだらと、更にその向こう側で、なんだかよくわからない邪気を発しながら更に覆い被さろうとしている、アメーバとヒルの複合体の様な群生体のような、汚泥の波。名伏し難い、ナニか。その光景が、飛び込んで来た。

私は半分ユメの中のままで声を上げようとしたが、
平生では決して見られないしだらの苦悶を耐えるような形相と、その向こう側のナニかに、「(コレ声を上げるなんて悠長なことできねーわ)」と事態を見て、意識を瞬時にまとめ上げる。

・先方に退く気配は? →皆無
・先方にコミュ取れるほどの自我は? →皆無

そも、マトモな判断能力すら持ち得ない可能性が大
→そんなのあったら土着神の気配を感じた時点で深追いしない

対話は『不可能』
恐らく脅しも『不可能』
どうやら向こうは本能や反射でしか動けない有象無象

何より→この状態のしだらをどうにかしなければ

結論:

が、私の中で下った瞬間、全身から不可聴の金切り声が、発された。
359:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:46 zZaDaoB60

自身すら知り得ぬような奥底から発された怪音波とも呼べるソレは、そこで知覚し得るもの全てを地の底から震え上がらせ、
その場にあった邪気を発し覆い被さろうとしていたモノ諸共エリア一帯のナニかを全て消し飛ばした。

消え切った気配に、私は横たわったまま小さく肩で息をしていると、不意に、しだらでもなければ況して先程の思念体と全く違う存在がこちらに意識を向けているのを知覚した。
上体だけ起こして顔を向ければ、そこにあったのは西洋の鬼のような、何か。短い下履きだけの青皮にスキンヘッドで、額に横並びの皮に覆われて飛び出た角が二本の、個体。

その個体は、気付いた私に気付いてか、片膝と片拳を地に着けて頭を下げてみせた。

なんだかよくわからないが、伝わる念は確かに『謝意』で。
ひょっとしたら、この鬼さんはここら一帯の主的な立ち位置なのかな、と結構どうでもいいことを取り留めなく考えていたら、
私は、目を覚ましていた。

あまりに疲れ過ぎたなと思いながらも、起きた後の楽しい会話と美味しい食べ物の前にはそんなことはどうでもよいことであり、眠気が残りながらも、予定の話し合いに戻って行った。
そしてドリンクおかわりで室外から出た時に、こころなしか、池袋特有の変な圧迫感は、薄らいでいた。

そして、以降、
私が池袋でネガティブな気配を感知することは、一切無くなった。


――――
360:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:48 zZaDaoB60

ゴングが鳴った話


それは数年前に鳥取‐島根旅行をしていたときのこと。
旅行自体の内訳としては、前半ぼっち鳥取巡り、ラスト1日に現地知人と合流して島根巡りというものだった。

夜行バスで現地に到着し、早朝にすら開いていない現地チェーンカフェに軽く辟易しながらも、目的の遊覧船に海鮮丼や海辺散策に沖の岩にある鳥居鑑賞と良い時間をすごした。
そうして初日の目的を終えたのだが、空は小雨ながらも時間はまだあるし、バスも本数が結構あった(少なくとも使った路線は平日日中ならば一時間に数本あった)ので、予定から外していた砂丘を見に行こうと思い立ち、バスに乗り込んだんだ。

バスに揺られながらゆったりとした道路を走って車窓に流れる景色を眺めていると広大な砂の大地が見え始め、「(なるほど、これが音に聞く鳥取砂丘か)」とテンションを上げて眺めていると、不意に、赤い大きな鳥居も見え始めた。
バスは近場の観光地の名前を冠した停留所のアナウンスを流すと、私は降車ボタンを押してそこで降りた。
小雨は止んでおり、広がる砂丘と砂の感覚にテンションが上がったが、気になったのは先ほど見かけ、今そこそこの距離にある赤い鳥居とその向こう側。天候も相俟ってか、妙な雰囲気を漂わせていた。

私は先に参拝がてら、神社散策を先に済ませようと砂丘を背を向け鳥居をくぐった。

向こう側は草木もそこまで生い茂っているわけでもなかったが、どこか鬱蒼とした陰気な雰囲気であり、くたびれた印象だった。遠目には広い池があってそこの中央に浮島のようなあり、そこに鳥居か社殿が建っていたので恐らくは弁天系の信仰なんだろうな、とアタリは付けられた。更に奥へ入って行くと、本殿なのか奥社なのかはわからないが、小ぶりな社殿が建っており、その周囲にはとぐろを巻いた白蛇の置物がぐるりと並べられていた。漂う気配、世話のされていない狐塚のソレと酷似。つまり、コレは崇敬や祈願ではなく、人間の欲望を叶える目的を最優先に形成された空間。

正直な感想は「(うへぇ)」の、一言。

そして、その社殿が最奥だったため、散策は終了と散策料金代わりの賽銭を出して礼拝を済ませ、私は来た道を引き返して神社から出ようした。
361:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:52 zZaDaoB60

が、完全に抜け出ようとしたその時、小康状態だった天気が急激に崩れ始め、雨が降り始めた。

多少の雨ならば持っていた折り畳み傘(なお靴は以降巡る予定の寺社の関係上で最初からレインブーツ)で停留所名にもあった観光施設へ赴いたのだが、それではフォローし切れない程の豪雨になり始め、止む無く近くのプレハブ小屋の軒下を借りた。
山の天気は変わり易いため今のような変化も予想の範囲内であり、そして変わり易いがためこのような豪雨は長続きしないだろうと、そう高を括って、落ち着くのを待った。

が、雨の量は収まるどころか勢いを増す一方。土砂災害すらも起きそうなレベルになっていった。
その、バケツどころか浴槽をひっくり返したような雨に、おれ。

「(いやいやいや、いくら山の天気はアレとはいえ、流石にコレはおかしすぎね?)」
流石に、焦っていた。
「(つか、施設終了時間がそこそこ差し迫ってて、鳥居の外はすぐそこだってのに、なんでンなとこで足止め喰らわなあかんのよ)」
と、焦りにバフされて思わず独りでイラァッとしていると、

不意に、豪雨に隠れていた気配が一瞬だけ垣間知覚して、
知覚した気配をトラッキングするとここの土着神で、
トラッキングした土着神の思念に注視すると、
思慕と、惜別と、拒絶、の、感情。

つまり、早い話が、
ここに来た私を気に入って離脱して欲しくない感情が荒ぶって、この土砂災害警報も時間の問題な豪雨を降らせている、と。
少なくとも、私の十何倍も何十倍も生きているだろうはずの、存在、が。
362:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:52 zZaDaoB60

――ほぅ?
おれのなかで、カーンと、ゴングが鳴り響いた。
363:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:58 zZaDaoB60

「(ふざけんなぁああぁあああああああ!!!! なんでそんなことで癇癪起こしてやがんだぁああぁああああ!!!)」
雨が、一瞬弱まった気がした。
「(感情が荒ぶるのはまだいい!!! 問題なのは、それを外に出すんじゃねえよ!!!!テメーの癇癪でどれ程の被害出すのか、お前わかった上でやってんだろ!!?ァあ!!?)」
雨脚は強いままだが、細くなり始めた。
「(だいたいなぁ、ジブンでジブンの機嫌を取れないなんて、お前どんだけ無駄に生きてきたんだよ!!ジブンでジブンの機嫌を取らずに癇癪起こして周囲にどうにかしてもらい続けてって、そんな根性だからヒトが愛想つかせて離れて周囲が寂れ続ける一方なんだろ!!!)」
実際は、もっとかなりエグいことを機関銃なみに云ってたのだが、言語として覚えている限りだとこのぐらいなんだ。
――コレなんかにしだらを出すまでもねえ!! おれひとりで充分!! 祟られる?呪われる? ハッ、こんなジブンの機嫌一つも取れないようなヤツの祟りを受けて呪い殺されるようなザコのおれなら死んで当然だ!!!
ニンゲン、気が立つと怖いですねぃ。
雨が完全に弱まって雲すら半紙レベルになった改善天候にも舌打ち一つで返すなんて。
「(おれが良識ある優しい人間だったことに感謝するんだな!!本当はお前を殺しても良かったんだが、ここでお前を殺すと一帯のパワーバランスが崩れる危惧があるんだよ!おれの目的は観光であって現地に混乱を引き起こすことじゃねぇっつーに、ったく。これだから鄙びたとこのヤツわ……癇癪に物云わせやがって!!)」
そうしてぶちぶち文句の念を垂らしながら、折り畳み傘を開いて
今度こそ、その場から離脱し切ることに成功した。

ただ、鳥居の外へ向かう途中、もう夕刻に差しかかろうというのに人気のない寂れたこんな場所に入ってくる自動車とすれ違ったんだが、いったい何の用があったのだろうか。
364:739◆Al9ki804zA 10/13(水) 18:59 zZaDaoB60

そんなこんなでなんとか観光施設の最終入場時間までには間に合い
、砂丘の砂を使った立体アートを楽しみ、周辺散歩に高い建物がない雄大な夕刻の景色に胸を打たれ、もののあはれを堪能する。
そして閉店ギリギリなショップで、現地生乳を用いたソフトクリームに二十世紀梨のプリザーブドソース掛けを注文し、外のベンチ
座って地物の味を楽しむ。

と、何やら同情めいたような労うような気配がコチラに向けられているのを察知し、食べながらソチラを見ると、そこにあったのは高いところに設置された小さな稲荷社。諸々を祈願されて作られた、少なくとも先程のような欲望実現ありきとは全く違う、ちゃんときちんとされたもの。

――たいへんだったね
その思わぬ労いに、思わず。
「(も、そうなんですよ!!お前を喜ばすために来たわけでもない上にあの仕打ちが。ほんとやってられませんわ!)」
と、豪速球で返してしまったため、
先方から『ヒェッ』と怯えられてしまい完全に閉ざされしまった。

ごめんて。


――――
1-AA