【全米が】なんか笑える霊体験【テラワロス】外伝9
417:739◆Al9ki804zA 06/25(日) 14:32 zTTpWEge0AA

しかし、旅行から帰って三日ほど過ぎた晩のこと。私は就寝後、程なくして寝たまま覚醒した状態に陥った。身体は当然に金縛り状態。意識は自宅空間とは異なる場所へと持って行かれており、眼前にあったのは白木製の一枚板。雰囲気で漠然と、自分は白装束を纏って白木造りの箱にいるのをなんとなく察した。そして、箱の周囲には狐たちの気配がして、それでようやくつい最近まで帰路で狐像達の気配に取り囲まれていたことを思い出す。が、大した感慨は、ない。
分かれた意識で、さてどうしよう、と、思案する。
ぶっちゃけ、眼前に板こそある閉鎖空間だが、その気になればこの程度の金縛りを破って意識を完全覚醒、起床状態に持っていくのは簡単だ。が、休止状態のハードウェアを急激に稼働させる負荷は機械ですら大きいのに、況んや肉体。そして金縛りを破った後の心身疲弊だけでなく、二度寝からの起床し直しによる加算分を考えたら確実性こそ見込めるがコスパが良い行動とも思えなかった。
ならば、このまま棺桶っぽい内部の中でそのまま寝直してしまおう。分かれた意識が完全に閉じれば、この私の分体は自動的に肉体に回収されるだろうし。まぁ、この棺桶っぽい空間は、何やら更に何処ぞの空間へ吸い込まれるように移動しているようなので、其処に到着するまでに完全に寝落ち出来るかは知らんが、考えるのも面倒になっていたので寝落ちしようとした。

すると、収まっていた箱空間からジブンがすり抜け落ちていき、私(の意識分体)は白いお包みの赤ん坊と化して、かつてしだらから意識逃げの際に世話になった餓鬼っぽい相手に大切に抱き留められていた。
「(んな?)」
と思う間もなくその餓鬼っぽいヒトは私を抱えて走っていく。その行き先は、知っていた。私の肉体がある次元に近しい空間だ。
抱き留められていた私は、寝落ちするのも忘れて先程までいただろう白木箱へと意識を向けた。すると、どうやって入り込んだのか疑問に思うのも野暮かもしれないが、私の代わりにしだらがそこに収まっていた。両腕を胸の上で交差させて、目を閉じたしおらしい表情で。
「(お前、そんなタマかよw)」
と軽く草を生やしたら、しだらin白木箱の動きが止まった。どうやら到着したようだった。そこには待っていたらしいナニかがいた。
そしてそのナニは狐たちの気配に囲まれた白木の蓋を開けたようだった。当然、中から出てきたのは、しだら。少なくとも、ニンゲンのオンナでは、ない。
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