怪談:妖しい物の話と研究


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【全米が】なんか笑える霊体験【テラワロス】外伝9
1 :名無しの霊体験:2016/09/30(金) 04:01:11.02 ID:iNR5xsKI0
投稿したいけど、笑えないかも知れない
それどころか怖いかもしれない

霊にまつわる話、不思議な話なら
こちらへ投稿してみて下さい。

まとめサイトにも収録されます。

まとめサイト
http://wararei.yakumotatu.com/

前スレ
【全米が】なんか笑える霊体験【テラワロス】外伝8
http://bbs.yakumotatu.com/test/read.cgi/wararei/1413599813/

361 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/13(水) 18:52:17.04 ID:zZaDaoB60

が、完全に抜け出ようとしたその時、小康状態だった天気が急激に崩れ始め、雨が降り始めた。

多少の雨ならば持っていた折り畳み傘(なお靴は以降巡る予定の寺社の関係上で最初からレインブーツ)で停留所名にもあった観光施設へ赴いたのだが、それではフォローし切れない程の豪雨になり始め、止む無く近くのプレハブ小屋の軒下を借りた。
山の天気は変わり易いため今のような変化も予想の範囲内であり、そして変わり易いがためこのような豪雨は長続きしないだろうと、そう高を括って、落ち着くのを待った。

が、雨の量は収まるどころか勢いを増す一方。土砂災害すらも起きそうなレベルになっていった。
その、バケツどころか浴槽をひっくり返したような雨に、おれ。

「(いやいやいや、いくら山の天気はアレとはいえ、流石にコレはおかしすぎね?)」
流石に、焦っていた。
「(つか、施設終了時間がそこそこ差し迫ってて、鳥居の外はすぐそこだってのに、なんでンなとこで足止め喰らわなあかんのよ)」
と、焦りにバフされて思わず独りでイラァッとしていると、

不意に、豪雨に隠れていた気配が一瞬だけ垣間知覚して、
知覚した気配をトラッキングするとここの土着神で、
トラッキングした土着神の思念に注視すると、
思慕と、惜別と、拒絶、の、感情。

つまり、早い話が、
ここに来た私を気に入って離脱して欲しくない感情が荒ぶって、この土砂災害警報も時間の問題な豪雨を降らせている、と。
少なくとも、私の十何倍も何十倍も生きているだろうはずの、存在、が。

362 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/13(水) 18:52:54.87 ID:zZaDaoB60

――ほぅ?
おれのなかで、カーンと、ゴングが鳴り響いた。

363 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/13(水) 18:58:17.96 ID:zZaDaoB60

「(ふざけんなぁああぁあああああああ!!!! なんでそんなことで癇癪起こしてやがんだぁああぁああああ!!!)」
雨が、一瞬弱まった気がした。
「(感情が荒ぶるのはまだいい!!! 問題なのは、それを外に出すんじゃねえよ!!!!テメーの癇癪でどれ程の被害出すのか、お前わかった上でやってんだろ!!?ァあ!!?)」
雨脚は強いままだが、細くなり始めた。
「(だいたいなぁ、ジブンでジブンの機嫌を取れないなんて、お前どんだけ無駄に生きてきたんだよ!!ジブンでジブンの機嫌を取らずに癇癪起こして周囲にどうにかしてもらい続けてって、そんな根性だからヒトが愛想つかせて離れて周囲が寂れ続ける一方なんだろ!!!)」
実際は、もっとかなりエグいことを機関銃なみに云ってたのだが、言語として覚えている限りだとこのぐらいなんだ。
――コレなんかにしだらを出すまでもねえ!! おれひとりで充分!! 祟られる?呪われる? ハッ、こんなジブンの機嫌一つも取れないようなヤツの祟りを受けて呪い殺されるようなザコのおれなら死んで当然だ!!!
ニンゲン、気が立つと怖いですねぃ。
雨が完全に弱まって雲すら半紙レベルになった改善天候にも舌打ち一つで返すなんて。
「(おれが良識ある優しい人間だったことに感謝するんだな!!本当はお前を殺しても良かったんだが、ここでお前を殺すと一帯のパワーバランスが崩れる危惧があるんだよ!おれの目的は観光であって現地に混乱を引き起こすことじゃねぇっつーに、ったく。これだから鄙びたとこのヤツわ……癇癪に物云わせやがって!!)」
そうしてぶちぶち文句の念を垂らしながら、折り畳み傘を開いて
今度こそ、その場から離脱し切ることに成功した。

ただ、鳥居の外へ向かう途中、もう夕刻に差しかかろうというのに人気のない寂れたこんな場所に入ってくる自動車とすれ違ったんだが、いったい何の用があったのだろうか。

364 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/13(水) 18:59:57.17 ID:zZaDaoB60

そんなこんなでなんとか観光施設の最終入場時間までには間に合い
、砂丘の砂を使った立体アートを楽しみ、周辺散歩に高い建物がない雄大な夕刻の景色に胸を打たれ、もののあはれを堪能する。
そして閉店ギリギリなショップで、現地生乳を用いたソフトクリームに二十世紀梨のプリザーブドソース掛けを注文し、外のベンチ
座って地物の味を楽しむ。

と、何やら同情めいたような労うような気配がコチラに向けられているのを察知し、食べながらソチラを見ると、そこにあったのは高いところに設置された小さな稲荷社。諸々を祈願されて作られた、少なくとも先程のような欲望実現ありきとは全く違う、ちゃんときちんとされたもの。

――たいへんだったね
その思わぬ労いに、思わず。
「(も、そうなんですよ!!お前を喜ばすために来たわけでもない上にあの仕打ちが。ほんとやってられませんわ!)」
と、豪速球で返してしまったため、
先方から『ヒェッ』と怯えられてしまい完全に閉ざされしまった。

ごめんて。


――――

365 :739 ◆Al9ki804zA:2021/10/13(水) 19:23:46.87 ID:zZaDaoB60

基本的に、思い出したもの、書けそうなもの、からガリガリ書いているのですが。

「あれ?このエピ書くなら先にアッチ書いといたほうがいんじゃね?」
と、アレコレ考えてしまい、気付けば二ヶ月経過。
単に、休みでアソビ予定もない雨天で完全に「何もすることがない(晴れてアソビ予定が無ければ掃除洗濯買い出しと結構忙しない)」日が無かった、というのもありました、が。

池袋ネカフェとゴングの話はもっと後にしようかと思っていたのですが、前の十年前帰省エピと池袋ネカフェエピは多分近いほうがいいだろうなと思ったのと、
池袋ネカフェエピを書くのなら数年前の池袋ミネラル帰りからのエピを近い範囲で書いたほうがいいよなと思い、
その池袋ミネラル帰りからのエピを書くのなら先にゴングの話を書いておいたほうがいいよなと思い、
そして池袋ネカフェエピとゴングの話は近いほうがいいよな、と。

なお、いつか書く池袋ミネラル帰りからのエピ自体は結構短いかと思われます、ハイ。

366 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:07:48.19 ID:bIReyCZV0

久々に神を殺した話

それは今から数年前の、コロナ禍前の池袋ミネラルの後のこと。

当時の池袋ミネラルは開催日の枠ごとの完全入れ替え制などではなく、チケット一枚あれば好きなタイミングで自由に出入りができた。
そして、私はその年も土曜日に有給を取り、土日の二連予定。
土日とそれぞれ違う人間と回る予定で、そのどちらも来れる時間に会場内で落ち合い、一緒に見て周り、相手が疲労を申告したら適宜食事や茶といった休憩を挟む、といった流れである。なお、相手申告なのは、私は体力が比較的あるほうであり、たぶん脳梗塞の四肢障害を気合いと根性で無理矢理動かし続けたために精神が肉体を凌駕してしまい疲労感を覚えにくいためである。ただ、しだらから“休め”とアタマを叩かれたら流石に休むが。渋々。

その年も、例年通りだった。
いつものように友人とブースブースを人ごみを掻き分けながら見て回り、ジブンの目当てを探し、友人に鉱物の簡単な解説や説明をしていく。たまに、業者さんとお喋りして、ならではの裏話や苦労話を聞いたり、或いは鉱物とは無関係な業者さんの生い立ちを聞いて声を上げて笑ったり、ブース裏手を借りて水分補給したりと、何しに来たのかたまに結構わからなくなる。
そして、閉場時間まで残り僅かというところで、私と友人は会場を後にした。

367 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:08:44.54 ID:bIReyCZV0

サンシャイン内を歩きながら、夕食の場所について話す。選び考えるのが面倒だというのと、料理にハズレが無く小皿料理を品数多く頼め、ドリンクも豊富で酒が好きな私にもアルコールどころか炭酸すらアウトな友人にも優しい。そんな理由で、いつものようにキリンシティにする。遊びに行くエリアにだいたい存在するのが有り難い。
そして、目的地へ向かうため、私は友人に道案内を頼んだ。
私は、サンシャインから現地までの道のりを、おぼろげながら「なんとなく」は覚えているのだが、その「なんとなく」で痛い目に遭ったことは過去n回。つまり、アテにならない。そして私の電話は買い換えたばかりでも二つ折り仕様のままであり、タブレットも持ってはいるのだが、回線は家の固定ワイファイか外の各無料ワイファイか、なのでガイドは実質不可能である。
あと今回に限って私が道案内できない、しないほうがいい理由があったのだが、念のためにソレは友人には伏せて道を探してもらった。
しかし、彼女も大概だった。アプリを開いて探してくれるのはいいのだが、どこをどう動くのか、と悩みに悩んでいた。私も一緒に見たほうがいいのだろうが、前述のことがあり、画面を見ず口を挟まず彼女についていった。
徘徊していたのは夜も中々の時間だったが、かつてあちらこちらで蔓延っていたヤな気配は、もう全く感知しない。前にネカフェ一棟分の気配を消し飛ばしたのが脅しとしてキいているようだ。やはり暴力は強い、力こそパワー。

368 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:09:33.12 ID:bIReyCZV0

そうして十数分ほど経過しただろうか。不意に、私は意識を持っていかれるように、持って行かれるがまま顔を向けてしまい、
ジブンで、顔が歪んでいくのがわかった。

頭にはあったのだが、寄る予定も気も全く無かった。
冬の夜で暗くなりながらも街灯の光で照らし出された、小さいながらも小奇麗でそこそこ立派な社が、そこにはあった。

「チッ」

リアルに舌打ちをし、被っていた新品な中折れ帽を外して一礼。
友人は私の急な行動に少し怪訝そうな様相を見せたが、先にあった存在に気付いて腑に落ちたようだった。そして、同じく小さく一礼をした。

そこからは、ものの五分と掛からずキリンシティに到着できた。大幅な、遠回りだった。

369 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:10:34.73 ID:bIReyCZV0

席に案内されて、それぞれ好きな物を好きなように注文した。
数分後に、飲み物がそれぞれに届く。私はハーフアンドハーフ、友人は自家製シロップ入りの午後ティー。

私はビールを半分ほど飲んで、愚痴をこぼした。
「あんたなら無いと思ってたけど、やられたわ」

そして、友人に話した。
道はなんとなく覚えてはいたけども普通に曖昧すぎてアテにならず、アテにならないからこそ意識の隙を突いてあの社(なお当事社の名誉のために言っておくが、何の変哲も曰くもヤな気配もないフツーの社)がヨび寄せてクる懸念があった。だから、回線のこともあるとはいえ、道案内を丸投げした。
彼女の母と妹は結構な霊障体質の一方で、彼女の父と彼女自身はそういうことが全くない、というのを聞いていたため、向こうがコイツの意識をジャミングできるとは考えていなかったし、してもそういう相手にはコストが掛かりすぎるため、割に合わないからしないだろう、と思っていた。
しかし、結果はこの通り。
コストを掛けてでも実行させ、まんまと付近を通らせ、私の意識と視界に入れさせることに成功した。

私は腹癒せに残りのビールを飲み干して、新しいのを注文した。そうでもしないとやってられない気分だった。

370 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:14:15.13 ID:bIReyCZV0

友人は、私の異様な「神好かれ()」を私から聞いてはいたし、そして実際に現場に何度か居合わせることもあるので理解はあった。
しかし、今一つ腑に落ちないような様子だった。
「でも、なんであんなに嫌そうに?」
私は、ジャーマンポテトを貪り食って飲み込んで、答えた。
「単純に、相手の思惑通りなのが気に食わない。あと、手段が悪い。道に迷わせてジブンのとこに来させるって、結構ナイだろ。相手の意識の隙を付いて、どうこうするってのは。だから『嫌』だと思ったことをキチンとアピールしないと駄目なんだよ。じゃないと、連中付け上がるから。感知できない他の連中への牽制も兼ねてね」
私としては、感情それ自体は行動バフのエネルギーでしかない位置づけであり、感情表現は他者へのコミュニケートツールか、発生したエネルギーを消費し切るための自身に向けるポーズだ。
発生した『感情』が向こうの連中に漬け込まれないよう、隙なく無駄なく利用し消費し切り、無理なく消化していく。不完全燃焼の感情エネルギーこそ精神の毒だというのは嫌という程わかっているし、ソコが狙いどころだというのも否が応なしに思い知っていた。生身の人間ですらソレを利用してくるのだ。時と場合と相手によっては私もやるし。

だからこそ、嫌なものは嫌だと、先方に表明しながら付け入られないように発生した感情エネルギーを消費し切らせ、
その上で「それでもコッチはジブンの感情とはベツに礼儀を守るぐらいの度量はあるんだぞ」と、見せておく。

ゆえの、顰め面舌打ち挨拶、である。

371 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:15:09.02 ID:bIReyCZV0

「あーあ、連中ホントめんどくせぇ」と私が更に愚痴をこぼすと、
「でも、神様って、めんどくさくない印象がないんだけどwww」と草を生やしたので、
「確かにwwwだったわwww」そのまま二人して笑いながら食事をして、別れた。

結構な遅い時間になってしまっていたので、最後の路線の電車は本数少ないから乗るまでかなり待たされるだろうなぁ、でもコレ乗っちゃえばすぐだもんなぁ、と取り留めなく考えて次の改札まで向かったら、土曜とはいえその時間には珍しくヒトでごった返していた。
なんだと思って進んでいくと、流れてきたアナウンスの内容に愕然とした。

隣駅で人身事故が発生し、復旧の目処がつかないとのこと。

それを聞いた後で電光掲示板を見れば、発車予定時刻が今の時間より少し早いまま止まっていた。池袋駅からの電車にあと二本早く乗れていたら、充分に逃れられていた。

もし、ミネラルをもう早く切り上げていたら、あの社に寄らないままだったならば、事故に捕まらずに乗れて帰宅できていたのだろうか。
そんな栓のないことを考えたところで時間が戻るわけでもなく、また路線の復旧が進むわけでもない。
この駅のネカフェに泊まろうかとも考えたが、明日も明日で違う人間とミネラルに行くのだ。事情を話せば相手は気にしないどころか労ってくれるだろうが、こちらとしてはきちんと着替えて風呂入って寝た状態で行きたい。今日も長時間歩き通しで、明日も歩き通すのだから。

372 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:15:56.78 ID:bIReyCZV0

なので、私は意を決して駅のタクシー乗り場へと向かった。
深夜時間もあって料金はエグいことになりそうだが、背に腹は変えられない。

タクシー乗り場は案の定長蛇の列で、更に吹きっ晒しの寒風で凍える思い。
近くに見えたバスターミナルで、家の駅までのバスは確かあったはず。と、考えるも、この時間帯でローカルが過ぎる路線バスの本数は期待はするだけ負けるし、何より散々寄り道した挙句の駅到着だ。今のタクシーを待ったほうが、余程に早く帰宅できるのは眼に見えていた。

「(にしても、コレは運なさすぎだろ。アタシにしては珍しい)」
私は、こういうときのタイミング運が良すぎたりする。
電車に乗ろうとしたら、ちょうどすぐ来る電車が急行だとか、私の乗った後で人身事故だとか、そういうのだ。
「(でもまぁ、無くはないからなぁ。タクシー代はイタいが。せめて明日の飯代は残ってくれ)」
暇すぎて、思考だけが進む。
「(にしても、復旧見通し立たず? それってモツやナニやらが飛び散ったってこと? それでも、コレがあそこの路線だったら二十分も経たずで復旧できるんだけどなぁ……無いもの強請りはできないか。今時期の名物とはいえ、巻き込まれるのはなぁ。つかこれ賠償どんだけだ?この規模だろ?家族がいたら間違いなく借金地獄で今度はその家族が、って)」

寒さで思考が今度こそ取り留めなくなり、やがては寒すぎて考えることすらもできなくなって、やっと先頭になった。とはいえ、まだタクシーは来ていない。人数が人数過ぎて、運んだ後で駅に戻ってくるのにも時間がかかるようだ。
タクシーの待機列は変わらず長く、見える駅の様子も先ほどと変わっていない。向こうで復旧を待たなかったのは、取り合えず正解のようだ。

373 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:16:58.38 ID:bIReyCZV0

そうこうしているうちに、やっとタクシーが来てくれたので、乗車した。
目的地は自宅。住所と併せてランドマークになりそうな建物を話すと、地元でもないのに理解してくれた。ありがたい。

駅から離れ、温かい車内で、やっと一息。
後部座席でダラけた状態で座り、寒い外を車窓から眺める。

街灯はそこそこあるが、冬の遅い夜。外を眺めようにも、眼に映るのは闇を塗り込めたガラスに映る自分の姿ぐらい、の、はずだった。

自分の顔が映り続けるだけの車窓の黒いガラスの向こう側に見えた、ちいさな社。大分前に、その駅周辺の徘徊で通りがかったことのある、そこ。
イヤにはっきり眼に見えたソレから伝わってきたのは、気恥ずかしさ、喜び、満足感、達成感、そして、


瞬間、私はその社の主を、縊り殺していた。

374 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:18:12.93 ID:bIReyCZV0

久々に神を殺したが、やはり私にはコレに関する『感慨』というものはないというのを、改めて思い知った。
私にとって、コレは、蚊を叩き潰したり、雑草をむしるカンカクと、大差なかったのだ。

「(にしても、社持ち確定を殺したのは初めてだけど……だとしても、あれは流石にアウトだろ)」

社とかソウイウものは、連中にしたら謂わば『装置』である。関わる当事者たちが、各々の目的のために、確率を操作させたり、対象の意識をジャミングしたり、隙を突いたり、ナニかを封じ込めて何かに利用するためのエネルギーや補助装置にしたり。
もちろん、神が全員ソレが無ければ何もできないわけでもなければ(しだらェ)、社を持っているからとはいえ『装置』として扱いきれる訳でもない(あの遣使さんがしだらを投獄していた理由はならず者の管理が三割、自身が装置を扱い易くするためが七割)。
ただ、あの主は、装置を「ちゃんと」使えているということは、そこそこに俗世にも知見ある存在なのだろう。

だからこそ、アウト、だった。

375 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:20:28.68 ID:bIReyCZV0

「(ヒトひとりの会いたさに……どころか一目見たい眼に入って欲しいがため『だけ』に、弱っている人間のココロに付け入って……いや、アレは結果だ。『なんでもいいからあの人間をここに近づかせたい』って一心で『なんでもいいから』確定発動させた。……たといアタシが『悪感情』を持ったとしても、最後に礼を貰えれば、貰えなくても、ただコッチに来て意識を僅かでも向けてくれればそれだけで、って)」
どっと、疲れが出てきた。タクシーのシートが心地よいのが救いだった。
「(想いが先走り過ぎて手段を考えることもなく『なんでもいいから』と発動させて、その結果がアレ。ヒト一人を死に追い込んで、何百人もの人間を混乱させて、遺族は不幸確定ルート。達成タスク内容に対して、発生した業が深過ぎる。確かにコレは「いつか起こり得る」ことしか起こらない。ひょっとしたらそのヒトはここではないどこかの違う形でソレを起こしたかもしれない。でも「起こらない起こさないまま終わった」こともだって十二分に在り得ること。だのに、大きな損害として実現させてしまったことに罪悪感を抱くどころか、タスク『成功』の達成感さえ抱いて……絶対同じことを繰り返す。社が扱えるなら、発動手段の予測や精査、あるいは確認ぐらいできたはずだろ? それをしなかった、できたのに怠った、そもそもできなかった、そんなことどうでも良かった、どれもとっても社持ちなら更にアウト。後先考えず自分の想いや達成感だけを先行させて確定発動し続けて、更にトンデモを起こすだろうよ。私が殺さなくても、いつかナニかに滅され淘汰されたことだろうけど……それまでにどれほどコトが起きるか。考えただけでお腹の頭痛が痛いわぁ。もし仮に、何かで今晩のあそこの社でのことを知った上での行動なら、どんな手であっても近くにさえ来てくれれば挨拶してくれる、だったら尚更だわ。感知外の連中にも見せしめないとアタシ自身や周囲の安全が危うくなるわぁ)」

タクシーが伝えたランドマーク付近まで来たので、料金を支払い、翌日の鉱物購入可能金額に絶望し、タクシーを降りてそのまま夜風に当たりながら帰宅した。

そして、その後も何度か池袋ミネラルに行っているが、あの「小さな社」に不意打ちで呼ばれたことは、今のところ、ない。

376 :739 ◆Al9ki804zA:2021/12/03(金) 22:27:44.95 ID:bIReyCZV0


なお余談だが、この日、新品同様の中折れ帽と買い換えたての携帯電話を見事に紛失し、更に携帯電話の紛失に気付いたのは翌日に家を出た後の電車内という大失態を犯す。

しかし、タブレットは持っていたため先方への当日連絡にはコンビニの無料ワイファイで済ませることができ、携帯電話自体は紛失サービスを利用して失くした二日後にあっさりと手元に戻った。

ただ、購入から三回ほどしか被っていない、タクシー内では確かに被っていたはずの中折れ帽だけが見つからなかったのだが、
コレが今までには無かった社持ちを殺したゆえの初めての代償だったにしても、量産品の一つ税込1万円弱(しかも同じ服飾販売店が当時その乗り換え駅にあったし実際そこで再購入した)で済まされてしまう、というのは余りにイヤ過ぎるので、やっぱりよくあるうっかり不注意紛失でしかないと思うことにするんだ。

――――

377 :739 ◆Al9ki804zA:2022/02/22(火) 22:32:49.90 ID:YEO98kD+s

極稀にだが、メディア映像を観ていると、その場の連中の存在を察知することがある。

例えば、ハワイをメーン舞台にしたとある二流邦画の自然深いシーンでは、現地精がうじゃってカメラらしき前に覗き込んだり役者を好奇心で眺めたり、
自然開拓を取り上げた番組の神社修繕編では、その社の住民らしきモノが怪訝かつ胡乱げな様相を出演者に向けていたり、
ゲーム実況ライブ動画では、宅配便のチャイムが鳴って実況者がそこに意識を向けたと同時に害意はある(が"実"害までには到底及べないだろう)念体が室内に入り込んで来たのを察知したり、と。
得られるのはそんな毒にも薬にもならず面白げの欠片もない情報ばかりである。
閑話休題

いつかの年始に正月らしさで神社特集番組がローカルチャンネルで放送された。
私はソレを興味本位で録画して観たんだが、導入部分は当たり前に変哲もない情報と内容。組む神社の最寄駅で案内人が軽い説明をするというもの。

紹介していた内容はごく一般的な普通な『神話』メーンで勝手に期待していた民俗学色が案の定薄かったので興味が失せ始めていくのがわかっていくと、
不意に、資料画の映像からシーンが変わり、神社の周囲映像が流れたと思うと、案内人が神社の中に入って神社関係者に話を訊く場面に移り、
その神社内で生息している本来ならばキレイ側であるはずのモノたちが、憎悪や憤怒、怨嗟を、案内人に向けて発していた。

378 :739 ◆Al9ki804zA:2022/02/22(火) 22:33:33.97 ID:YEO98kD+s

流石にコレには少しぎょっとした。
その神社は由緒も正しく時間帯も朝から昼で陽の光も充分過ぎる。
更に、その案内人自身もその家系も、少なくとも当該神社関係からナニの謂れはないはずである。取り返しのつかない犯罪を案内人本人が過去にしたわけもなければ、家柄だって真っ当である。

にもかかわらず、負の念を、向けている。
「(ホント、ヒトに好かれるのに理由は無いように、嫌われたり恨まれたりするのにも理由って無いんだろうなぁ)」
と、取り留めなく思いつつもどーでもよくなり、
内容自体もやっぱり興味は沸かなかったので飛ばし飛ばし観ていて。

そして、あるその神社とは違う小さな地元の神社の年末神事シーンになり、小柄なお爺さん禰宜さんが伝統の占術を行なっていると、その周囲でちいさなかみさまたちがわらわらと集まり、わいわいきゃっきゃと禰宜さんに好意を向けてはしゃいでいた。

同じ番組内でのこの温度差。
おそらく私は、なんとも言えないビミョーな表情を浮かべていたことと思う。

――――

379 :名無しの霊体験:2022/06/30(木) 11:14:15.73 ID:aGbQOiCGs
お久しぶりです。白い自称カミサマな変態憑きと思われる暇人です。
長年髪を切ってくれていた美容室が閉店してしまったり、仕事がかなり忙しくなって切りに行く時間が取れない等で髪が肩にかかるレベルになっております。
高校の時の話を書きます。
文化祭で自分達のクラスは絵の展示をすることになりました。制服や体操服以外着て良いから、汚しても問題ない服持ってきて着てくださいという指示のもと白いつなぎを自分は持って行きました。
「それはガチでやる気がすぎる」
とお洒落な格好をしたクラスメートから、からかわれつつも応戦したりして作業は楽しく進みました。私の格好にやる気があると認定した先生から、外の飾り付けの手伝いに駆り出され他のクラスの子と合流しつつ外の手伝いに参加。外はなんだか白い霧でも出てるのか視界が少し見えづらくなっていました。
同じように外の手伝い組も「霧?すごいねえ。見えづらい」等話していた。
その他のクラスの子の中には、自称・他称共に見える人で話題になっていた子(人型ってタイトルでまとめて頂いてるのに出た同一人物)がいました。
見える人が私をまじまじと見たかと思ったら、嫌そうな顔をして
「うわ、なんであんた白い服着てんの。ていうか肩重くない?」
私「あ、これ?中学ん時にクラスでお揃いで買ったやつなんだけど使ってなかったから。肩?さっきまで筆持ってたし肩こっちゃったかも」
「白いの着るの辞めときなー?『隣の人』凄い嬉しそうにニコニコして抱きついてるから」
私「隣の人ってどっちよ?」
「人型のほう。あー・・・とりあえず下の服、黒?上半身だけでも脱いだら?」
そこまで嫌そうな顔を普通するか?!と思ったが、そろそろつなぎも暑くなってきたのもあり上半身脱いでから腰で袖を結んだ。
妙にタイミングが良かったのだけど、その時霧がスーっと消えた。
余りのタイミングの良さに私は正直、ビビったけどたまたまだと言うことにして平然としていました。
その次の日に見える人は体調不良で休んだらしく、学校に出てきた時に私を見るなり「もう見ないから」と文句を言われた。
昨日職場に見える人が来たのを見かけて思い出しました。

380 :名無しの霊体験:2022/06/30(木) 11:56:44.86 ID:aGbQOiCGs
自称カミサマな白い変態憑きだと思われる暇人です。
新しく出来た推しが異性だった時に駄々をこねられ、いかに自分の方が良いか延々に言われる夢をここ数日見ております。本日は、色んな人から忘れられ絶望してる最中、白い人から手首を握られ「僕は忘れないから」と言われる夢を見ました。
さて、猫のぬいぐるみの話をしたか忘れましたが幼稚園時代の話をしようと思います。
幼稚園の時に猫のぬいぐるみを持ち歩いていた。その頃は身長も高くて小学生に間違えられることが多く、見た目が悪いからやめろと言われたけどお気に入りでずっと持ち歩きたかったし、何より怖い歯医者のお供として一緒に連れていきたかった。
連れていったのが間違いだった。同じ年代の子にぬいぐるみを奪われそのまま持ち帰られそうになり、母に訴えた。
返してくれるように言ってくれると思ったら母から「小さな子に譲りなさい!こんな所に持っていくからよ!」と何故か私が怒られ、相手側の母も抵抗なく少し頭を下げて去っていった。得意気にぬいぐるみを持って行った子は私にあっかんべーしてから去っていきました。
ずっと帰ってからも文句を言う私を怒った母に絶望して、違う遊びをしてぬいぐるみを諦めることにしました。
「◯◯(ぬいぐるみの名前)は、どうしたの?」
といつもの白いお兄さんが聞くので、事情を話すと頭を撫でてにっこり笑い言いました。
「次の歯医者さん?の時には、戻ってくるから。安心してね」
その通りになった。予約した歯医者さんに行き治療を終えると、受付の人から私の猫のぬいぐるみと菓子折りを渡された。
「これは人にあげたものだから」
と手放すように母から言われたが、私が返そうとはしなかった。慌てて親子喧嘩を止めさせた受付の人が言うには
・相手の人が何度も、こちらに連絡をしてきて謝りに行きたいと言っていた。個人情報なので家は教えられない旨を伝えたら、ぬいぐるみは歯医者で預かって返してくれと言われた
・相手の人は遠くに引っ越しをしたから、二度とこの歯医者には来ないし来れないと伝えてくれと言われた
らしい。とりあえず、もうお返しもお菓子もお渡ししたんで!と言われ返された。
親が、相手側に何かをお返ししないといけないだろうけど、相手の情報がないと困惑していたことが凄い鮮明に残っている。
お菓子は、お兄さんにあげたが食べて良いよと言われたので私が喜んで食べた。それからぬいぐるみの持ち歩きは辞めました。
特におちはないです。

381 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/13(水) 19:53:53.80 ID:3ohrMfJjs

逃げ切りたいたいモノ同士の話


それは、春のミネラルイベントで購入した石についてのこと。

今やミネラルに行く目的の一つに「あのヒトまだ生きている?」高齢者個人ブース者の生存確認が入ってしまっていたりする。高齢化はどこも同じである。

そんなブースの一つに立ち寄ると、私はある売り物に目を持って行かれた。棚の一番上の端、とてもわかりにくい上に、物自体も小さなそれ。
悲しいかな、通い慣れてしまったブースなので、新顔もなんとなくでわかってしまう。しかし、新顔だからといって目を持って行かれるかどうかは、別のことである。
その新顔は、山梨は黒平の楕円柱状に磨かれた煙水晶、だった。

382 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/13(水) 19:55:32.59 ID:3ohrMfJjs
うつくしい、のは確かなのだが、最初にキたのはそういう感覚ではない。
色んな物がひしめき合っているそのブースで、いや、近辺で不思議な異質さを呈していた。見てくれは、どう足掻いてもただの水晶製印材でしかないのだが。
思わず手に取って眺めていると、ブース主のおっちゃんが、
「コレきれいだよね! 水晶らしくなくて!」
と、いつものように楽しそうに話しかけてきたので、
取り敢えずは、返した。
「はい。なんか、水晶なのにエルバイト(雑に言うと茶系トルマリン)や、色を間違ったトパーズ(黄玉はそんな色しない)みたいで」
そう思ったのは、確かに本心である。ただ、本心の一つでしかないが。
「そうでしょ!! これね、元々ハンコとして作られたものを、知り合いから分けてもらったんだ! こう光を当てると中の景色(インクルージョンの見え方)が凄くきれいなんだ。それに、これは昔山梨で沢山水晶が採れていた時に、生活品として水晶が加工されていた証でもあるんだよ。しかも、当時の職人の手磨きだから、今の水晶の雰囲気と違うよね」
その話を聞いてはいたが、私が覚えた違和は手磨きなどではない。手磨き国産水晶。それこそ同じ黒平産の煙や黒水晶のものを、幾度となく目に入れたことはある。なんだったら、ノウハウ継承洗練化で現代の手磨きのほうが「きれいに整っている」のだ。
ゆえに、目の前のこれの違和の原因は、確かに現代の技術に引けを取らないだとしても、手磨きはならない。

よくはわからないが、私は一旦その場を離れた。
「最終日の私の帰り際までにこれが残っていたら、これは私が買います」と言って。
そして「そうじゃなくても何度もここに来ると思いますがwww」と草を植えるのを忘れずに。

なおその「何度も、」の途中で煙水晶印材が見つけた場所になくて「(あれ?売れたか?)」と思っていたら、さっきと違う、まだ目に付きやすい低めのところに置かれていた。
覚えた疑問をそのまま訊いてみると、
「あの後、他の人も手に取って見るようになってね。少し見やすい場所に置いてみたんだ」
あるある。一度ヒトが触ると、どこで見ていたのかと訊きたいぐらいに、他の人間も触ってくるアレ。
まぁ、これで売れたら売れたで、私の財布がラクになるので、その場で買うことはしなかったが。

383 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/13(水) 20:04:35.35 ID:3ohrMfJjs

そうして迎えた最終日の帰り際。まだそれはあった。
「すみません、もう帰るんでこれ買いますw」とお決まりの草を生やして、そのブースに来た。
すると期間中何度も来ていた私におっちゃんは笑いながら言った。
「これを入れといてなんだけど『こんなの誰が買うんだ?』って思っててさ。君は、ぼくの選んだ好きなものを見てくれるから嬉しいよ。感覚が似ているんだろうな」
ある種のリップサービスなのだろうが、私はそもそもそんなにここで買っていないので、褒められている気もしない。私がせいぜい買ったものといえば、なんだかよくわからない副葬品らしき指輪と、無駄に立派な母岩付きトパーズ鉱物標本ぐらいなもの。
なので、
「それって喜んでいいんですかねwww」と返してみる
「そりゃそうだよ!」と、力強く返されたので社交辞令スマイルを浮かべるだけに留めた。


そして次の休みの日に他に買った石を眺めつつ、水晶印材を標本台に付いた状態で改め眺める。普通にきれいでインクルージョンも良い景色をしていた、が、違和は拭えない。
ふと、そういえば底はどうなっているんだろうと、気になった。ハンコとは言っていたが、そもそも著名人でもない一般人の名前が彫られたものを譲渡することはないだろうとはいえ、あの時見ていない(し未購入商品を標本台から剥がす行為は流石にナイ)ので、台接着の粘土を剥がして手の上に取った。
瞬間、持っていた違和が一気に膨れ上がったと思えば弾け飛び散り、その正体を知るに至れた。

これは、自らの意思を"強く"持ってしまった、モノだった。
原因は、恐らく当時の職人が"心を込めて"丁寧に仕上げた"所為"で。
当人の意図しないところで、余りに丹念に制作したために、念、もとい、意思判断のアルゴリズムが物質に組み込まれてしまったのだろう。
なお、肝心の裏は案の定何も彫られてはおらず、裏から見た景色も普通にきれいなものだった。
が、それよりも、私はなんとも言えない、何を云ったらいいのかわからない感覚に陥る。
自らで物理的に動くことのできない物が、自らの意思を持ってしまう。これほどの不幸を、私は早々に知らない。

384 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/13(水) 20:07:58.66 ID:3ohrMfJjs
石に限らず、ナニかしらの物質に、何かが宿るのは良くあることではある。が、それは写り込んでしまった持ち主の記憶情報だったり、或いはスピリット(精とかオバケとか)どもが、各々の目的のために、其処に入り込み自らをAIアルゴリズムとして組み込むことでなんちゃらかんちゃらからの達成させるためである。もっとも、後者の多くはヒトを驚かしては恐怖心を煽って漏れた感情を喰らう、ことだが。
いずれにせよ、それらは飽くまで外部からの乗っ取りでしかない。ニンゲンにもなくはない現象だが、昔の私の場合はめんどくさくなって全権明け渡してみたら余りのマニュアル操作っぷり(たぶん脳梗塞で隙が大きかったのだろうが、そのたぶん脳梗塞ゆえに指を僅かに上げるだけでも相当の気を割かなければならなかった)に発狂された挙句に逃げようとされても生存本能が剥き出しの肉体に喰われて肉体を動かすための精神エネルギーに変換されるか、ある程度のサイズ感があるならば肉体が何処かに保存して使用中の自我がブラック環境に耐え切れず安寧求めて自死を発動させた際(なおたぶん脳梗塞前にも自我自死はよくあったが当時は自前の精神エネルギーを使用)の後釜としてストック→ゾアホリック宜しくだが当事者の意志ガン無視な強制書き換えで新たな自我として使い潰されるか、そんな自業自得な憂き目に遭ってしまうオチになったが。なお、しだらに遭遇以降は、しだらの神気をフォアグラ用のガチョウよろしくに貪食させられて強すぎる反作用に気を狂わせながらも慣れたのか肉体操作の不和は落ち着きを見せてたぶん脳梗塞前からあった自我自死も激減していった。閑話休題。

385 :名無しの霊体験:2022/07/13(水) 20:21:52.24 ID:3ohrMfJjs

煙水晶印材は、自らで意思を持ってしまったがゆえに、せめての救いのように持った"力"を自らの願いのためだけに使っていた。事象発生の確率変動と、他者意識の誘導。決して、自らがソレに、判子としてよりもまじないの道具として選ばれないように。意思を持ってしまったことに嘆き、選ばれて使われることに怯え。連中どもが持つ基本的なスキルを使って直向きに、他者に使われたくない、ソレとして使われた同じ個体だったものたちのように使い潰されたくない、自身の存在を悟られたくないと、本来ならば知る必要の無かった恐怖に襲われながら隠れ続けていた。
ブース主の話の「古い知人から譲ってもらった」から、恐らく身辺整理(ブース主自身が七十を超えているため相手も結構な歳なのは想像に難くない)の一環で、隠れ切れずに表に出てきたのだろう。だとしても、ブース主が台座を付けて展示販売するだけならば、他のベテラン展示商品に紛れて終わっていた。ただ、ブースに流れた直後で、違和を覚えてしまった私に見つかってしまい、結果的に発動していた一部が破れ、多くのヒトの目に留まるようになった。とはいえ、誰の手にも渡らず、最終的に購入したのは私なのだが。

恐らく、この言葉を使うのは私自身癪でしかないのだが、これは真にパワーストーンと呼んでも差し支えがない代物だった。そしてまた、私が私としてそう認めざるを得ないのは、この印材が最初で最後だろう。他のは、まぁ、まぁ、その、うん。そもそも最低でもしだらの気配に打ち勝てるレベルって、ほら。
印材には穴が空けられていてCカンが通されていたので、試しに、ネックレスチェーンに通して首に掛けてみた。見てくれはアクセサリーでしかないし、春先ならチェーンで、以降の季節には細い革紐に変えれば使えるペンダントである。判子としてナナミの名前を改めて彫って使うより、そちらのほうが使い勝手が良いだろう。
しかし、首から掛けているそれは、私にはやはり"アクセサリー"には思えなかった。ペンダントの、水晶印材を模した被ったナニかである。現に、試着状態でしかないのに鼓膜を突き刺すような不可聴音が凄まじい。とんでもクレームを出してきやがる。無機物の分際で。

386 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/13(水) 20:31:30.83 ID:3ohrMfJjs

「(うるせぇぞ、テメー。これ、アタシじゃなくて他のヤツだったら精神に異常をきたしているかんな? そしたらオメーは叩き割られて燃えないゴミ直行だ。よかったなァ、行き着いた先が同じお役目ファッキューな『逃げ切りたい』者同士のオヤサシイひとで)」
そんな無機物相手にメンチ切る私も大概なのだが。

せめてもの意趣返しで、冷凍庫で半永眠状態なロックアイスの袋を取り、シンクに叩き付けてほぐして適当な一塊を手に取った。そして、ソレを適当なガラスの小さなに入れて、氷の上に水晶印材を乗せる。
我流な(耐水系限定)石のクリア装置。溶けた水は排水溝に捨てるだけ。
乗せた途端に比熱差で氷が溶ける溶けるみるみる溶ける。つられて石の様相も大人しくなる。
薄らいでいくソレをニマニマしながら眺めていたら、不意にしだらの気配が強くなったので意識を向けたら何処となく呆れたように私を見ていた。

――お前 それはやめてやれ

その内容に私は思わず疑問符を打った。と、いうのも、しだらは宝石類を『ただの石ころ』と金を使うこと自体に不快を呈し、パワーストーン系に至っては『おれのほうが、』と更なる不快を呈してくるからだ。
なお、職人の彫金や切り子カット、人工宝石の類は好反応を見せたりする。自然物に興味が湧かないのは、さすがは元が山林霊とも言うべきか。

なので、ヤツが庇ってくるなんて珍しいこともあるものだと思いつつ、私自身も一応の意趣返しで気が済んだので氷から水晶印材を外した。その際、溶けた水で手が滑ってガラス容器の縁に落としぶつけてしまった。艶々な底面に僅かな傷があるのは、購入時点からであってこのときについたものではないだろう。たぶん。

そして、この水晶印材は今も標本台の上に鎮座している。
この前のミネラルイベントでペンダントとして着けようと思って財布の中にいれたのだが、結局替えるのと服装にイマイチだったため、他のペンダントトップにしたままで使うことは無かった。

出掛けで地下鉄に乗り込むときは財布越しにドキワクしていたのに、使わないまま終わって標本台に戻そうとしたら外に出されたことへのクレーム不可聴音を出された。

お前はいったい何様のつもりなんだ。

387 :739 ◆Al9ki804zA:2022/07/13(水) 20:33:46.58 ID:3ohrMfJjs

オマケ

ミネラルイベントのブース側人間の一人に、元(世界を股に掛ける超大企業ジュエリー社名)の日本支社創立メンバーが一人いらっしゃるのだが、その気になれば社長室よりも豪華な『相談役』のデスクで踏ん反り返ることができるだろうに売る気があまりない自身の蒐集物をおみせひろげて客とおしゃべりする道を選んだ奇特なヒトだ。なお、ソコに行かなくとも何処かしらで一角の人間にはなっていたのは、立ち振る舞いが物語っている。

そのヒトは「石はね、行きたいヒトのところにしか行かないのよ」と常々言っていて、つい先日のミネラルでは、
「私ね、今回フェナカイトのルースを持ってこようかと思ったの。でもね、産地特定ができなくて、わからないまま出すのが嫌だったから今回は持ってこなかったのよ。そしたら、お客さんから『フェナカイトありますか?』って何人かに訊かれたから事情を話して今は無いことを伝えたの。それで、なんでそんなの(フェナカイトはアクセサリー以前にルースとしてもマイナー)が欲しいのか訊いてみたのよ。そしたら、『最強のパワーストーンだから』だって。そりゃ、そんなヒトのところに行きたがらないわけよね」

私がその場で草を大量に生やしたのは言うまでもない。

――――

388 :名無しの霊体験:2022/10/13(木) 02:21:42.60 ID:p1l+O5fTs
相変わらずの暇人な自称カミサマな白い変態憑きだと思われる人です。
この間からコンビニのザクロビネガーにハマっております。
幼稚園の頃に、友達から私の星座に纏わる神話を聞かされました。そこで、初めてザクロの存在を知り食べてみたいと思うようになりました。
ですが、なかなか売っておりません。
次の日にもザクロの話をされました。友達は「こんなに美味しい果物食べたことなかった」と自慢してきます。
悔しい思いをしながら、その日親とスーパーに行きました。そのスーパー珍しい物を売っていることがあり、ザクロが置いてありました。
買って欲しいと言いましたが却下され、食べれず。
次の日にもザクロの話をされました。友達は「実は自分ちで作ってるんだ。今度持ってきてあげようか?」とニヤニヤしています。2つ返事で「食べたい」と伝えました。
そして、ザクロの置いてあるスーパーにまた行きました。あんなにあったのに残りはひとつです。駄々をこねた所、そこまで何度も言うならと根負けした両親。
買ってくれ、その日は家族で分けて食べました。これで、あの友達に食べたと自慢ができます。
週が明け、友達を探しました。どこを探しても見つかりません。
ようやく庭で一人で遊んでいるのをなんとか見つけて、ザクロを食べた話をしたら大きい目を開き地団駄を踏まれました。
泣き叫んでそのまま校舎に走り去られ、私は呆然。
家に帰ってから、何が悪かったのかと外の駐車場で考えていたら何かを足に投げられました。
「うそつき!」
声はあの幼稚園の友達のもの。でも、投げられた方向を見ても誰もいません。足元にはとても小さなザクロがありました。割ってみると小さいのに実が付いていました。
食べてみようか。
口を付けようとした時、いつもの白いお兄さんが来て「落ちたもの食べるのは、汚いよ」と言ってザクロを取り上げポーンとどこかへ投げつけました。
その日から、その友達は幼稚園で見ることはなかったし今思えばどこの組で名前も知らない子で、同じ場所でその子から神話を聞いていた子に確認取っても「そんな子はいなかった」としか言われなかったです。
ちなみに、白い変態のお兄さんはザクロは嫌いな模様。特に落ちはないです。以上

389 :名無しの霊体験:2022/10/13(木) 02:43:52.48 ID:p1l+O5fTs
この間聞いた不思議な話。
母の祖母の家に、石で作られた像があったそうな。手のひらより大きくて重くて、お坊さんみたいな服装らしい。
母の祖母曰く、川から流れてきたという。
そして、なんでもこの石で胸を撫でると乳が出るようになるそうで、噂を聞き付けた若いお母さん達がよく来ていたらしい。
数年前山を人にあげる時に、その像もろとも処分してしまったらしいから今はどこにあるかもわからない。
あの家を崩す前に知りたかったと歯がゆいばかり。
ところで、我が家系なんなの。川から流れてきた所在不明の石像拾って帰ってきて、胸に当てたり火の玉見たり天狗見てたり、狐を恐れたり、墓に刀があるとか下級武士の出とかそんな噂があったり。
そもそも石像流れてくるものなの?眉唾物で今回もやはり落ちはないです。すみません。

390 :名無しの霊体験:2022/12/01(木) 08:24:12.73 ID:uKfud4f3s
白い変態憑きだと思われる人です。
最近、何かを見間違えることもなくなって大人にようやくなってきたのかなと思ってましたが、結局はまた見たのでそんなことはなかったです。
この間、用事で県外に行きたまたま着いた駅に人でごった返している神社に行き挨拶をしました。
結婚式してたり、七五三してたりととても微笑ましく思ってました。
飛行機から降りて家に帰る途中、ナビ通りに車を動かしてたら県外で行ったその神社系列の神社の方向を案内されてビビった。
やけにこの神社にナビが案内するなと思って後でググった結果、系列だったんですよね。
ナビなしで帰りました。

早朝に出ることになり、5時に起きれるかわからないなと思っていたら夢で。
「起きる時間だから起きて」と言われた。
目を開けると5時一分前。慌てて起きて準備して間に合った。


この間、仕事が案の定忙しくなりバタバタしていると隣にスッと人型が立つ気配がした。目の端にも人が見える。
仕事手伝いに来てくれた同僚だと思って喜んで隣見たら誰もいなかった。期待させやがって。イラッとした。

こじつけなんだろうとは思いますが、こんな感じでちょっと不思議だなと思って楽しんでます。

391 :名無しの霊体験:2022/12/09(金) 00:45:54.36 ID:oN5C8fNms
白い変態のお兄さんが憑いてると思われる人です。
幽霊関係なくて本当に申し訳ない。ブラインド仕様の中身を当てる確率が高いです。
箱を手に取った瞬間に「これは◯◯(キャラ名)!」って閃きが来ます。
推しでもないのに、中身が本当に◯◯(仮名)なのか気になっちゃってどうしても買ってしまいます。
しかも、そういう時は大体正解。
推し以外のグッズが手元に来る仕様です。
友人の目の前で、適当なブラインド仕様のグッズを買って開封の時に、これは◯◯(仮名)と宣言付きでやって見せたこともあります。
「どうして分かったの?!(驚)」と言われますが、私も知りたいところです。
フィギュアとか重さでキャラ分かったりするじゃんと思うでしょうが、同じ形でプリントされている絵柄が違うだけのグッズでも当てることが出来たりします。
トドメは、予約特典でランダム23種類のグッズを貰えることになってたある日。
その日の朝、その作品のキャラがワクワクした様子で夢に出てきました。あ、うちに来るんだなと察したところ、予約特典でやはり来ました。
事前に友人に話をしていたので、引き気味に言われました。
「本当に来た・・・どういうこと?」
私もそこが知りたいところです。流石に夢で見た!なんてこの年齢で言えばヤバイ人確定なので勘だということにしました。
勘でも充分ヤバイ人に見えますが。
なんでしょうね。これ。せめて推しを的中させれば良いのになと思います。以上です。

392 :名無しの霊体験:2023/01/22(日) 15:07:02.83 ID:GnedmM5V0
個人的には怖かったので、こちらへ。1週間ほど前の話。
30cmくらいある虫に襲い掛かられる夢を見て、悲鳴を上げて目が覚めた。(自分は虫が大嫌い)
ベッドの左側で寝てたんだけど、目が覚めたのと同時に、夢の中の虫から逃げるように反射的に体を反転させて右側に転がった。
そしたらベッドの左隅付近から声のような、音のような、何かが聴こえる。
ヴェーン、みたいな、喉を震わせたような声にも機械音にも聴こえる音が、「ヴェーン、ヴェーン」って鳴り続けてる。
朝が苦手だからスマホのアラームと目覚ましを両方かけてるんだけど、その音じゃない。
聴こえ続けるので正体を確認しようかと思ったけど、明らかに尋常じゃないというのも分かってて、肉声で聞こえる声や音はやばい、と何かで読んだことがあったので確かめる勇気がないまま布団をかぶって震えてた。
正直、夢で見た虫だったらどうしようと、心霊と物理の両方面で震えてたら、次第に聴こえなくなった。
完全に音が止んでから恐る恐る確認したけど、何もなし。
スマホを見たら時間はアラームの鳴る2時間前で、着信等もなし。
以前、枕元で何かが通り抜けて行く気配があり、その時は寝ぼけていたので腕を伸ばして捕まえたら、手の中で何かが暴れて消えたこともある。
その時は半分寝ていたからただの夢かもしれないけど、感触はしっかり残っていた。
何かの通り道にでもなってるのか。

393 :名無しの霊体験:2023/02/02(木) 23:33:10.41 ID:n6jPDFeus
通り道になってるんでしょうね。というかその手の感触もしかして、虫では・・・?

394 :名無しの霊体験:2023/02/10(金) 20:45:32.69 ID:hzVM2wlb0
Σ(゚Д゚|||)!?!?!?

395 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/02(木) 20:34:09.02 ID:9Mtj5PYJs

神連中の見てくれスキン基準が、
「神本体の性質やらナニやら←→当該受信者(おれとか)知るキャラクターやナニやら」
な『擦り合わせ』の結果だというのはなんとなくわかりつつあるも、
だとしても、

宮島大願寺弁天さまのスキンが某排球漫画の潔子パイセンだったり三輪明神が第五人格のハスターなのはともかくも、
夏に訪れた新潟にある白山神社の受付男性神が某戦国史漫画の呂不韋で、奥に控えていた(恐らく一帯ヌシ)のが同作の太后って、ェ。

因みにしだらの見てくれスキンは未だに言いたくありません。潔子パイセンと同じ、某排球漫画ではありますが。
そしてまた、ヤツに遭遇()した当時、その時某排球漫画にハマっていたため、
「なんで同作スキンなら(当時の最推しキャラ)じゃなくてソッチなんだよ!!」と喚き散らしたが、よくよく思えば本当に本命キャラで出たところで「解釈違い!!!」と殴り倒している光景しか目に浮かばないので、よしとしようと思う。
恐らく、もしその某排球漫画をご存知の方がいらして、かつ、しだら関連の書き込みを見て覚えている方がいらしたら、

たぶん某キャラが思い浮かぶことと思いますが、ソレで恐らく合っています。

そして本神は怒髪天つきスタイルが元々として気に入っているため、敢えてそのスキンを地でいっている可能性も微レ存。

396 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/02(木) 20:52:02.32 ID:9Mtj5PYJs
コチラのスレッドに書き込まれていた「ザクロが嫌いらしい」で、今更ながらに思ったこと。

「ザクロって、確かお釈迦さまが子さらい子食いをして鬼と化していた母親に食う子の代替品として与えたものだよなぁ。そんで鬼母は改心して仏道に入ったって(所謂『鬼子母神』)」
お釈迦さまが苦手なのか、ザクロのエピソードで苦手意識を持ったのか、或いは単純に食べ物として苦手(だってフツーに食べ辛いし)なだけなのか。

当事者しか知り得ないことだわな。

397 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:14:18.84 ID:dyRvwvMk0

『大神明神(或いは三輪山権現)に遭遇()した日の話』


実際に遭遇するタイミングは文の最後のほうで、それまでは「それ以外のその日のこと」です。

三輪明神が「出始める」のは、冒頭が『目当てのカフェ付近まできて、』からになります。

それまでは、私自身の“ソッチ方面でよくある()こと”になります。こんなことがよくあってたまるかと、いつも思ってはいますが。
ハァ(どちゃくそ重苦しい嘆息)。


それは、死の毛布()船舶事件から月日が経過して、新型コロナウィルスが世間で騒がれるようになった一月上旬。
私は、友人とメッセージのやり取りをしていて、下旬の日曜日に遊ぶ予定を詰めていた。
ことの発端は彼女が『ジャンル友からすごいオシャレなカフェを教えてもらった。キユさん一緒に行ってみない?』というものだ。そして、日程やら待ち合わせやらを決めていると、他の時間をどうしようかとなり、
「せっかくなら、他のシャレオツなカフェにも行ってみたくない?」
と、紹介してくれたカフェがアソコなら明治神宮徒歩で行けそうだから、そのカフェに行った後で腹ごなし散歩に明治神宮に行って、という流れで決定。
そして私は良さげなカフェを周辺で探していると、おススメまとめページでしだらが一箇所に興味を持った。有機栽培だのなんだのと所謂『自然素材』を謳った系統だ。確かに、周辺ならではのシャレオツで、とてもしだら好みなカフェだ。自然派で?いいえ、シャレオツ感で。
散歩コースとしても悪くはなかったので、友人にメッセージでそのカフェのことを話すと、二つ返事で了承してくれた。


この時は、まだ、この判断がナニをもたらしたのか露だに想像がつかなかった。

398 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:15:24.12 ID:dyRvwvMk0

同月の下旬の約束の日。
待ち合わせ駅で早い時間に到着してヒマ潰しに周辺を徘徊するのはいつものこと。
駅から離れなければいいと何も考えずに歩いていると、不意に視界の先に小さいながらも立派な社が、しかも遠目で真新しいとわかる上に、鼻でも木材特有の匂いを感じ取れるレベルの新物だった。
私はややゲンナリしてその社の前に立つ。どことなく得意げで自信アリな気配を放っていたのは、気のせいではないと思う。
嘆息して、お賽銭を入れて形だけの参拝を済ませた。私は、別に新しい社(後で調べたら正確には『移転』であり、この地に建てられたのは同月上旬というなんとも言えないタイミング)を参拝するために早く駅に着いたわけではないのに、と天を仰ぎたい気分に駆られた。
そんなこんなで時間が来そうだったので、再び駅に戻り、周辺でカフェの入り口を探して先に並んでいた友人と合流。開店を待ちがてら先程のことを彼女に話したら「さすがキユさんwww」と草を生やされた。ちくせう。

カフェはフラワーショップチェーンが経営なだけあって、店内は其処彼処に花が飾られてそれだけで来た甲斐があると思えるほど。こういうところを探す嗅覚は、さすが同人女ヲタだと思う。
ドリンクもプレート料理も豊富で見た目も鮮やかで目移りするが、ハイビスカスを使ったハーブティーとなんちゃらライスのプレートに決定。友人も友人でお茶とプレートを決めて、店員さんを呼んでオーダー。お喋りをして品を待ち、品が来ると食べながら話す。この時はまだ『黙食』という文化は生まれていないんだ。
そして、あらかた食べ終わり、自分のハーブティーも残り一口だったので飲み干そうとした。
ら、カップ周辺にナニがしの気配を感知し、敵意も悪意も害意も無いようだったので意識のフォーカスを向けると、そこには所謂"小さいおじさん"――スキンが第五人格の塗装職人衣装の"泥棒"――妖精と思われるものが、カップの横に立っていた。その腕に、角砂糖を抱えて。
はァ?(確かに妖精は小さいおじさんの姿ってハナシは聞いたことあるけどよりによってソレ???にしても何の用なん?)と怪訝さを隠さないであらわにすると、その妖精らしきヤツは抱えていた角砂糖を前に掲げてみせると、

――これ 砂糖っていうんだよ
――甘くておいしいんだよ

……なんてことない。
その「(折角の)甘くて美味しい」砂糖を使わずに飲んでいたことが気掛かりで存在感を出してきたのだ。

399 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:16:59.88 ID:dyRvwvMk0

んなの知っとるわ、ボケが
こっちとら砂糖ナシで飲みたいんじゃ

と、思ったことをぶつけずにハラの中に留めた私を褒めて欲しい。
とりあえず内心で舌打ちを一つして、残り一口しか残っていないカップの中に角砂糖を一つ放り込んで雑に混ぜて溶け切らないままに飲み干した。くだらない用件ではあるが、不興を理由に私に殴り殺される覚悟で存在感をあらわしたことに敬意を表してだ。ぁあ、クソ甘ぇ。

「(これで満足か?)」
と、思念を送ると、その妖精らしものは俄に気配を光を放つレベルで明るくさせると、静かに存在感を消していった。
「(なんでこんなことでそこまで喜べるんだか)」
と、呆れながら口直しの水を飲んでいると、不意に周囲の気配が色めき立っていくのがわかった。
失念していたのだが、ここは花屋が経営するカフェであり周囲にはよく手入れのされた、生きた植物が多くレイアウトされている。つまり、ここはスピリットどもにとってはとても居心地の良い場所なのだ。
私は基本的にザコ系は干渉の足切り対象にしており、事実ザコどもも私に殴り殺されるリスクを負ってまで干渉してこようとはしない。が、先程のアレで、他のヤツらがどうも調子付いてしまったようだ。
悪意敵意害意が無ければ良いというものではない。たとい好意でも厚意でも数が多ければ処理にリソースを食うのは必然であり、リソースを食った分に見合うリターンがあるのかとなればあるわけがない。つまり、ウザい。
そんなこんなで憂鬱になっていると、友人がやっと食べ終わったので、会計して退店した。中のヤツらが寂しげにしていたのなんて、知ったこっちゃない。

400 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:18:55.79 ID:dyRvwvMk0

明治神宮まで歩きながら愚痴で先程のことを話し、目に入ったカカオ果肉のジュースの看板を見て、欲望のままに買って飲んで友人にも味見させて飲み切って近くのゴミ箱に捨てる。お洒落な店が多いので見て歩くだけでも充分に楽しい。途中の式場で結婚式があって、きれいだねー、と取り留めく話したり。
そして明治神宮に到着して、鳥居を前に一礼。友人は初明治神宮らしい、というか神社といえば三重の実家近くの伊勢神宮へ年始に参拝しているので気が済んでいるとのこと。まぁ、特段理由が無かったら、そう参拝もしないわな。
鳥居を潜って手水場に行くと、柄杓が撤去されていてびっくり。代わりに、縦割りの竹が設置されており、そこに空けられた穴から落ちる水で清めると。今でこそ珍しくないスタイルだが、早い段階で考え出して設置する行動の早さは凄い。観光地としても名高いのは伊達でない。
二人で凄い凄い言って手と口を清めて中を散策。日中とはいえ、一月下旬としてはかなり暖かくて動きやすい。途中、白無垢と紋付き袴の男女に、正装姿の参列者がぞろぞろと歩いて行くのを見た。良い結婚式日和だ。
友人は「神前婚なんて初めて生で見た!!」と興奮していたが、確かに神社へ行くことのない人間からしたら、この光景を見るのはないかもしれない。私は見慣れてしまっていたが。

適度に散策すると、次のカフェに向かうべく神社を離れた。そして行きと違う道を歩いてお洒落な店を見て楽しんでいると、再び結婚式に遭遇し、今度は花嫁は赤ん坊を抱きかかえてだった。
友人が「……休みの日って、こんなに結婚式やっているものだっけ?」と、訝るように私を見てきたが、私に訊かないで欲しい。強いていうならば、ヤツ(しだら)にでも訊いてくれ。

401 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:25:51.82 ID:dyRvwvMk0

目当てのカフェ付近まできて、詳細な道を見ようと友人がスマホでマップを開いてくれた。私は(これを書いている今でも)モバイルWi-Fiを持っていないためだ。
そして一緒に画面の地図を見ながら道を見ていたのだが、ふとある道の奥から「(あ、これは、)」とわかるレベルの神社の気配を感じ取り、私は「あの道じゃないみたい」と友人に言った。友人もそれに従い、別の道を行った。
しかし、その別の道に目当てのカフェはなく、再びマップを開いた場所まで戻ってよくよく見てみると、私が違うと、神社の気配がしたほうの道こそカフェに続く道らしい。
私が脳内で疑問符を打ちながらも歩いていくと、目当てのカフェがそこにあった。そして、カフェの周囲に神社などなく、気配の発信源は、そのカフェからだった。
私は一層に疑問符を強く打ちながらも、取り敢えずは無駄に歩かせてしまった友人に先に詫びを入れて、カフェへと入った。
入店すると、ネットの紹介に違わず綺麗で明るくシャレオツで、客層も店員も相応の見てくれをしていた。が、それよりも先に私が意識を吸われたのは、入店正面にあるレジカウンター→キッチン入口の上に祀られていた、木札だった。視線を凝らして読めたのは『大神神社』という文字。
「(おおかみ?オオカミ神社?狼?だったら三峯じゃね??? ……あ、おおみわか。あったあった、そんな神社。つかどこだっけ。結構なド田舎だったよな。でも島根鳥取ではないんだよな。ご神体は山だったよな。ま、なんでもいっか)」
初見一瞥の感想はその程度で、店員に案内されるがままに友人と席について、食べたいものをオーダー。友人は、先のカフェの料理が腹に残っているからと軽いものにし、私はネットで見てから食べたかったお茶のパンケーキを頼んだ。
そして料理が来るまでの間、友人と雑談しつつ先ほどの道の話と木札の話をした。詫びた後で言い訳がましくはあったが、オチが木札と知っては言わずにはいられなかったのだ。まだ、『オチ』てはないのに。
「さっきのさー、神社の気配がしたから違うと思ったんだよね。そしたらあったの木の札だったよ。ほんと、やんなっちゃうわ」
友人は笑って聞いてくれていたが、私は自分で言っててふと思い直していた。

402 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:26:53.25 ID:dyRvwvMk0

そう、木札一枚で“神が存在する”小規模神社相応の気配を醸し出していたのだ。いくら祈祷されてきちんと祀られているからとはいえ、類似例な猿田彦カフェはここよりもしっかりと神棚を設えた上で札が祀られているのに、一般的な『神棚感』で終了している(とはいえ周辺に構えてて何も考えずに歩いていると吸い寄せられることしょっちゅう)のに。
「(え、ちょっと待って、いくら祈祷しているからって、木札自体は所詮、量産な木の札よね? その量産品でしかない物から直な神気が出ているってどういう、)」


思考は、そこで止んだ。否、止んでいた、のだ。

403 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:29:18.06 ID:dyRvwvMk0


「(…………?)」

再び思考が戻っていたときには、身体の芯が震えだしていた。どうやら反射的に思考に割いていたリソースを身体の神経に回していたのだと、このとき知る。もし、この反射行動がなければ、私は失神して倒れこんでしまい、店の床の上で全身を痙攣させていたことだろうと思う。
そして、この現象がなんなのかは、知っていた。強すぎる神気にあてられた際に起きる、身体からのサイン、謂わば霊障ならぬ『神障』だ。
それがそうだとはわかった、が、パニックにもなってくれない思考は混乱の代わりに『何故』ばかりを生み出す。身体がこんな状態になったのは、ここより更に数年前の所謂サ神以来であり、サ神より遡るならば、私に耐性が付く前のしだらぐらいだ。
しだら耐性が付く前はヤツの気配を感知するたびこんな状態だったな、などと懐かしさ皆無なことを思い出しつつ、どちらも“ニンゲンがソレを『神』とラベリングする前から既に地上で我のあった存在”だと思い至る、が、腑に落ちないのはソレだけで何故ここまで身体が震えなければならないのか。ガッチガチの土着神を感知するだけならば、こうまではならない。
となると、あとは、

404 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:31:27.83 ID:dyRvwvMk0

「…………!!!」
ソレに思い当たった瞬間、今度は神気からではなく、自ら覚えた恐怖で身体が一層に震えそうになり、無理やり抑え込んだ。並列思考で表面上は友人と談笑し続けているジブンが本当に偉い。
どんなに力が圧倒的でも、感知するだけならば身体は震えまではしない。グリズリーやティラノサウルスを見かけたところで、向こうがコッチに気付いていないならば多少の恐怖はあっても背景の一部でしかないのだから。
しかし、その『背景』でしかなかった強大な相手が、コチラの存在に気付いてしまえばどうだろうか。それと同じだ。向こうにその気がなくとも、ちょっとした手出しでコチラはあっさり死んでしまう。そんな絶望的な力量差のある相手が、コチラの存在に気づき、あまつさえ近づいて来たならば。更に、その相手が加減皆無なナチュラル覇王色を纏ったまま干渉してきたならば。

そう、つまり、
ソ レ そ の も の が 神 札 を 介 し て 私 を 目 印 に コ チ ラ 側 へ 這 い ず り 出 よ う と し て い る の だ 。

405 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:33:02.57 ID:dyRvwvMk0

たといそれが悪意も悪気も害意もない行動だとしても、祀られている正当できちんとした神であっても、旧い土着神の気配がコチラを目指して蠢いているなど、恐怖でしかない。

運ばれてきたスィーツを食べながら、お茶の粉で咽て「食べ辛いwけど美味いwww」と草を生やしながら食べつつ、友人が食べきれなかった甘酒スィーツを腹にスィープし、しばし食休みをした後で退店した。料金を支払う際に再び木札を見たが、もうそこからは神気も何も感知しなかった。用を、済ませてしまったからだ。その札を介して向こう側にあったナマの神気は、私にまとわりついている。
外を歩き、私は身体の芯の震えを少しずつ外に出しながら、友人に話した。
「流石に店の中で話すのは憚ったけど……私、あの木札の神に目ェ付けられていた。身体が、やっと震えてきた」
あの気配は、私の周辺でわだかまったままだった。友人にそういった霊感が皆無だったのが、幸いだ。これが友人の霊感があるという妹のほうだったらどんな反応をしただろうか。……いや、恐らく反応しないだろう。アレらと悪霊だのなんだのは、同じ不可視光線という括りでも、赤外線と紫外線ほどに違うものだ(少なくとも私はそう思っている)。幽霊や怨念系に感知が強くても、アレらの感知まで強いとは限らないし、もし両方わかってしまったらそれこそ悲劇でしかない。
友人は私に気遣って「どこかで休む?」と訊いてきたが、さっきの今で再び別の店に入るのも気が滅入ったし、何よりまとわりついたままの神気から少しでも意識を逸らせたかったから、このまま散策で、と言った。

406 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:34:56.12 ID:dyRvwvMk0

そうして周辺を歩いて雑貨店やら家具屋やらを見て回りながらも、神気は一向に離れる気配も薄らぐ気配も、無かった。
私自身もだいぶ落ち着いてきたのと、いい加減にその気配に慣れてきたので、
「(んでコレ離れねぇんだ??? もうコッチ側に出てこれて終わったはずだろ???)」
と苛立ちすら覚え始めた頃に、ふとわだかまっていた気配が急に収束して、再構築をし始めた。
「(???)」
全くの不測の事態に友人と話しながらもわけのわからない事態に少し混乱していた、ら、

――のだーーーー!!

私は、人目が無かったら壁に頭を打ち付けて自らの頭蓋骨をかち割っていたことと思う。

収束して再構築が完了したソレは、あの時の圧をそのままに、第五人格のハスターのスキンを纏っていたのだから。

「(はぁああああああぁあああぁああ!!!!???)」
そう店内で声をあげなかった私は、本当に褒め称えられて然るべきだと思う。
「(いやいやいや!!?確かに元設定は恐怖の化身だとかなんちゃらかんちゃらあったけど!!!?山の畏怖というイミだったら間違ってはないけど!!!ど!!!??だったらなんなのその『のだーーー!!』ってのわ!!ファンアートあるあるのだ幼女ハスターで思いっきりフレンドリー感が丸出しっていうか土着神の圧まんまにソレって色んなイミでめちゃくちゃキツいしアタシそもそもハスター教じゃないからソッチ方面での嬉しさが皆無すぎるんだけど!!!!?)」
後に現地旅行で更に思い知ったことだが、大神神社の御神体たる三輪山自体もニンゲンに友好的で地元民だいすきみんなだいすき、な、感じで、三輪山の登拝が一般民にも解禁されるようになって一番喜んだのは他でもない本山なんじゃないのか、と思うレベルである。もし「選ばれないと登れない」という与太話を真に受けるのであれば、単純にあの神の圧()を変に受けてそのヒトのナニかが「(ムリ、ない)」と無意識に拒絶したからだろうと思う。それはそうとしてお清めと称して勝手に山で酒を振りまくヤツは個人的に親指を下に向けてやりたい。付近草木と土壌生物に土下座して謝れ。

そんな圧倒的力に畏怖、そしてフレンドリー()さという綯い交ぜっぷりでハスタースキンを纏ったのだろうが、もし私が第五人格を知らなかったらナニを纏っていたのかという疑問が思い浮かぶも不毛なナンセンスで、私は、考えることをやめた。

407 :739 ◆Al9ki804zA:2023/03/05(日) 20:37:47.25 ID:dyRvwvMk0

神気にあてられた疲労感を上回る疲労感に襲われながらも、表面上は友人と談話して、時間になったので解散。

帰りの電車内で、うきうきるんるん音符マークまで飛ばすソレとは正反対に、私は新たな『神』を抱えたことに、ただただただ重くなっていくアタマを抱えるしか、なかった。


なお、
「そもそも、その店にしだらも興味を示したんだろ?ソイツその時どうしてた?」と思われたかもしれない方へ。
あの店に入ってからは(私がそれどころじゃなかったせいもあるだろうが)ヤツの気配が微塵もせず、這いずり出るときに干渉もナニもしてこなかった、ことは言っておく。
私自身ヤツに対してその件を問い質してみたい気持ちはあったが、
翌日には何事も無かったかのようにソレと、同じ“山”系由来だとしても、アタリマエのように和気藹々とやりとりしているヤツをみて、
「(……訊いても絶対に無駄に終わるな)」と、悟らざるを得なくなったんだ。



――――

408 :義妹と御狐様:2023/03/11(土) 02:34:51.27 ID:y5pOhdSVs
お久しぶりです。
覚えていてくれている方がいるのか不安ですが、義妹と御狐様の義兄です。
気付けば最後の投稿から7年もの月日が過ぎていました。
色々な事がありましたが、義実家含め皆元気に過ごしています。
久しぶりのご挨拶として、ヾ(*´∀`*)ノに戻った後の子狐様のお話をこっそり投下。

義妹夫婦が結婚して1年程過ぎた頃、近所に引っ越して来た夫婦がいた。
近所とは言っても挨拶回りするには距離があるし、正直気軽に引っ越しの挨拶を出来るような門構えのお宅ではない義実家。
それでも、義実家にはご挨拶してた方が良いと、後日その夫婦のお隣に住む奥さんが付き添いやって来た。
義妹夫婦と義父はその時一緒に外出していたので、義母が対応。
折角なのでお茶でもどうぞと、奥さんと夫婦を家に上げた。
お茶をしながら、これからよろしくと当たり障りのない会話をしていた所で義妹夫婦と義父帰宅。
親衛隊から引っ越しの挨拶をしに客が来ていると報告を受け、三人も挨拶をしに行こうと応接室に向かった。
ノックをしてドアを開けた瞬間。

(゚Д゚)

な、顔をして子狐様硬直。
その後。

やーだー!!臭い人いやー!!。゚(゚´Д`゚)゚。

と、叫びながら庭に飛び出した。
その様子がはっきりと分かる義実家の四名は一瞬笑顔のままで固まったらしいが、気を取り直してその夫婦と付き添いの奥さんに挨拶。
その間も。

もー!臭い人やだー!!あの女の人すっごく臭いー!!。゚(゚´Д`゚)゚。

広い庭をびよんびよん飛び跳ねながら、子狐様は叫んでいたらしい。

409 :義妹と御狐様:2023/03/11(土) 02:35:49.48 ID:y5pOhdSVs
なんか色々察した義実家の面々は、相手に失礼にならないように程良い所で切り上げて三人を見送った。
その後リビングに移動して、庭で相変わらず叫び飛び跳ねている子狐様を詳しい事を聞こうと義妹が呼び寄せた。

義妹「子狐様、もう大丈夫だから。落ち着いて」
子狐様「義妹ちゃーん!あの女の人すっごく臭かった!!(´;ω;`)」
義妹「そっかー応接室だから結界あって直前まで気付けなかったから吃驚したねー」
子狐様「人のモノ盗んだり!自分がした悪い事を人のせいにしたり!そういう事いっぱいしてるから、あの女の人すっごく臭かった!!臭い人きらーい!!もうお家に入れちゃダメ!!」

と、子狐様は暫くの間٩(◦`꒳´◦)۶ オコダヨ!な状態だったらしい。

410 :義妹と御狐様:2023/03/11(土) 02:40:23.87 ID:y5pOhdSVs
まぁ、そう言う人は確かに世の中にそれなりにいるし、子狐様はそう言うのとは真逆な存在だから嫌がるのは仕方ないのかもしれないが、妙に過剰反応する事が義実家の面々が不思議に思ってると。

(*´・ω・)<赤ちゃんも臭い人嫌だよねー(義妹のお腹に向かって)

と、その日最大の爆弾をあっさりと投下してくれたらしい。
後日、義妹夫婦が病院に行った所、妊娠初期も初期で、この時期でよく気付けましたねと言われたそうだ。

本当に久々の書込みで変な所いっぱいあると思うけど、許してね!!



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