怪談:妖しい物の話と研究


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【全米が】なんか笑える霊体験【テラワロス】外伝8
541 :えべっさん:2015/08/03(月) 00:32:42.05 ID:FeyjBuCu0
一歩、また一歩……。
耳を澄まし、向かって来る音が一つでは無い。
来たんだと僕は怯えて吐きそうな感覚に震えます。
師匠が理解しろと言ったのは、自分の状態がどれだけ危険なのか。
えべっさん無しで、どんな状況になるのか身を持って知っていたはずなのに。
「はるちゃん、もう出て良いよ」
清美さんの声がしました。
しかし、僕は動きませんでした。
入るときに言われた事「こっちから開けるから呼ばれても出ては駄目」清美さんが本物なら開ける筈。
何度か呼ばれましたが、出ないでいると扉が激しく揺れます。
ボロボロな小屋で、しかも何人かが開けようと力任せに揺らしている。
施錠されていた鍵が落ちる音が聞こえ、もう駄目だと身体の力が抜けます。
たぶん腰が抜けたんでしょうね。
軋む音と共に開く扉と蠢く何か。
霊力に気付いたのかこっちを見て気味の悪い笑い声を一斉に発します。
(あとで聞いたのですが、一応開けれない様にしていたが壊されるのは予想外と師匠は謝ってました。)
花嫁、という単語を耳にしながら師匠とえべっさんが来るよう願いますが、もちろん来ません。
あぁ、悪霊に喰われるってこれか。
師匠の弟子の話を受ければよかった。
とやけに冷静に考えていた僕に悪霊が触れようとした時に見えない何かに押されて小屋から転がり出る僕。
雨のせいで服はドロドロ、足は震えるわで動けなかったのですが駆け付けた師匠に手を引かれて逃げ出す事に成功しました。
あの悪霊はいいのかと聞いたら大丈夫だとだけ言われて塩を撒かれた後に清美さん宅へ。
二人にやり過ぎたと謝られ、恐怖を思い出して大泣きしたとこまで覚えてます。
僕を押した手と悪霊を始末したのは、がっちゃんで師匠が言うには「ただの空腹だろう」と言われましたが記憶を見た後で考えると罰を受けていた自分
と重ねてしまって出してくれたのかなと。
がっちゃんは覚えてないそうですがw
ちなみに僕はその小屋のあと師匠に弟子入りしました。
ふとした時にあんな目にあうのが嫌でしたので。



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