怪談:妖しい物の話と研究


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ろくろ首他
1 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/02/24(月) 19:11:44.87 ID:aA9cS1+A0
【出版依頼】
【著者】ラフカディオ・ハーン
【翻訳者】小林幸治
【予定価格】100円
自分で出版するので、厳密には依頼では有りませんが、スレ立てサンプルとして
収録予定は「ろくろ首」「青柳の話」「安芸乃助の夢」は決定してます。
「虫の研究」を収録するかどうかは何とも言えません。

表紙にする「ろくろ首」の画像も募集します。
謝礼は表紙2000円、それ以外は1000円です
このスレッドへの画像投稿でお願いします。

表紙は横800ピクセル縦1200ピクセルにしますので、
それに近いサイズにして、文字を入れるスペース
も意識しつつお願いします。

採用の場合はレスをしますので、メールで送金方法と電子書籍に収録する時の
名前を連絡して下さい。
送金は銀行振り込みまたはAmazonギフトを考えています。
謝礼放棄の場合もこっそりメールして下さい。

82 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/04(金) 09:53:47.14 ID:ROfV2+E20
[おそらく大部分がそれほど単純ではないのだろうが、どうして男よりも
女が兵隊と労務者において進化論的に特化したのだろう、という疑問が
出てくる。それには大きな自信を持って答えることはできない。が、自然
経済の観点から問題を解決できる。生命の多くの形態では、大きさと
エネルギーの点ではメスがオスより大いに優れている──おそらく、
この場合では、完全なメスに本来備わっていた生命力のより大きな
備蓄は特別な戦闘階級の育成のために、より迅速かつ効果的に
利用されたのかもしれない。豊穣なメスに存在する生命を与える
ことに消費されるであろうエネルギーの全てが、ここでは攻撃的な
力や労働の才能の進化のために転用されたように見える。]

83 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/05(土) 09:24:50.23 ID:xiLSZg3i0
 正真正銘の女──選ばれし母親達──は実のところ非常に少ない、
これらは女王のように扱われる。要望をするようなことはほとんど無い、
非常に頻繁かつ大きな敬意が、彼女達を待っていた。生活の世話の
ことごとくが、彼女達を安心させた──子孫を残す義務を除いて。夜も
昼も考えられる仕方の全てで世話をされる。それは単独で有り余るほど
豪華に与えられた──子孫の利益のために、彼女達は王として適切に
食べて飲んで休息しなければならず、その生理的な特殊化は、この
ような耽溺の自由が認められている。彼女達が外出することは、ほとんど
無い、強力な護衛でも伴わない限り絶対に無い、同様に無用な疲労や
危険を招くようなことは許されない。おそらく彼女達は外出には大した
欲求を持っていないだろう。彼女達を中心にして種族の活動が行わ
れる。その全ての知能と労働と節約は、単にこの母親達とその子供達の
福祉に向けて管理される。

84 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/06(日) 09:45:35.27 ID:8r9zP1Kq0
 しかし、種族は最下位に、この母親達の夫を位置付ける──必要悪
なのだ──男というものは。彼らは特別な季節にのみ現れるのは既に
観察したが、その生涯は非常に短い。高貴な家柄の自慢など少しも
できないにもかかわらず、王族との婚姻が運命付けられていた。彼らは
王族の子孫ではないが、処女から生まれたから──単性生殖の子供
──特にその理由から、劣等な存在、いくらか不可解な隔世遺伝の
偶然の産物だ。だが男達の内のいくらかは、選ばれ共和国から許容
されるが数は少ない──選ばれし母親達の夫として仕えるのに、
かろうじて足りる程度で、この少数は任務が終了するとほとんど間を
置かず死滅する。自然の法則が意味するこの驚くべき世界は、
ラスキンの教える努力の無い生活は罪悪と一致し、男は労働者や
戦士のようには役に立たないから、その生存の重要性は一時的に
しかない。実のところ彼らは犠牲にされたのではない──テスカ・ポリトカ
の祭りに選ばれ、心臓をえぐり取られる前の二十日間新婚生活が許された
アステカの生け贄のように。しかし、彼らの高度な幸運の中では、大した
不幸ではない。想像してほしい、王の一夜の花婿となるよう運命付け
られた知識で育てられた若者達を──婚礼の後では生きていく
道徳上の権利を持たないだろう──その婚礼は彼らの全ての
それぞれに、死の確信を物語るだろう──それは彼らの若い未亡人
に嘆き悲みを望むことさえできない。彼女達は多くの世代の彼らの
一回のために生き残るだろう……!

85 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/06(日) 09:49:37.43 ID:8r9zP1Kq0
四節目まで終了しました
終盤脱字と意味が分かりにくい部分が有るっぽいので
電子書籍やサイト上にアップする時は修正を入れます

86 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/16(水) 19:22:23.98 ID:cheo8nqD0



 しかし、前に述べた全ては「虫の世界のロマンス」の序文にしか
過ぎない。
──この驚くべき文明に関係する、最大に驚愕する発見は性の
抑制だ。確かに蟻の生活の進歩した形態では、個体の大多数に
おいて性行為は完全に消失する──性生活が見られるより高位の
蟻社会ほぼ全域において、種の継続のために必要不可欠な範囲
にしか存在しない。しかし、生物学的事実は、それ自体が提示する
倫理的暗示に比べたらそれほど大したことでもない──この事実上
の抑制や、性的能力の規制は自主的に出現しているからだ!少なく
ともその種に関する限り自主的だ。現在信じらているのは、その素晴
らしい生き物達は発展か、若い性の発展の阻害の仕方を学んだと
いうことだ──いくつかの栄養学的方法から。それらは本能のうちで
最も力強く制御不能と一般に思われている物を完璧な管理下に置く
ことに成功した。かつこの厳格な禁欲生活への必要な制限の範囲で
絶滅に対する備えは、種の多くの重要な経済的効果の内のたった
ひとつ(ではあるが最も驚くべきもの)だ。自分本意の喜びのための
あらゆる能力──「自分本意」の言葉は普通の意味で──は、生理的
な改変を通して等しく抑制された。自然な欲望に耽るのは、直接的か
間接的にでもそのような耽溺が、種の利益になる場合でなければ、
全くできない──必要不可欠な食事や睡眠でさえ、健全な活動を
維持するため正確に必要な程度に限定して満足している。個々は
務めと考えが公共のためになる場合だけ生存でき、共同体は宇宙の
法則が許す限り、愛か飢餓のどちらかによる自身の支配を勝ち誇る
かのように拒絶する。

87 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/18(金) 16:04:20.96 ID:5JGGok6t0
 我々の大部分は、何種類かの宗教的な教義──将来の褒美への
希望や将来の罰への恐れ──無しでは文明は存在し得ないという
信念の元に育てられた。我々が考えるよう教わってきたのは、道徳
思想に基づく法律の不在や、そういった法律を執行するのに有効な
警察が無い状態では、全ての他人の損害に対し、ほとんど全ての人
は、彼や彼女の個人的な利益だけを求めるだろう。強者はそれから
弱者を滅ぼし、哀れみと同情は消え去り、社会構造全体が粉々に
なって落ちていくだろう……この教えは、人間の本質は不完全な存在
だという、明白な真実を抱えていると白状する。しかし、この真実を
最初に宣言した何千年も前の人達は、利己的行動が生まれつき
不可能になる社会の存在形式を全く想定していなかった。それは
積極的な善行の喜びが義務の思想を不要にする社会は存在できる
という、疑いようの無い証拠を伴った無宗教な自然を我々に提供する
ために残された──天性の道徳が全ての倫理的規則を不要にできる
社会──全員が完全に利他的に生まれ、精力的に優秀な社会、
それは最年少の者にさえ道徳の鍛練が時間を浪費せず過不足無く
できると意味する。

88 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/21(月) 23:02:02.40 ID:VZq33DS50
 進化論者には、こういった真実は必ず示すが、それは我々の道徳的
理想主義の価値は一時的なものでしかなく、美徳よりも、優しさよりも、
自制よりも──この表現で現在の人間が意味付ける──良い何かは、
確実な条件の元では、いずれそれに取って換わるかもしれない。どちらに
しろ彼は道徳の概念の無い世界は、そうした概念によって素行が規制
された世界より道徳的には良くないかもしれないという疑問に直面せざる
を得ないと自身で気が付く。彼はさらに我々自身を取り巻く宗教的な戒律
と道徳規定と倫理基準が、我々はまだ社会的進化の非常に原始的な
段階にあるのではないと証明するのかどうか自問するはずだ。そして
この疑問は自然に別の方へと向かう。人類は常に有能だろうか、この
惑星上で、倫理の状態の彼方のその理想の全てへ到達するために──
我々が現在悪と呼ぶことごとくが存在から衰退していき、我々が美徳と
呼ぶことごとくが本能へと変換していく状態における──倫理の概念と
規定がそれと同じように不要となっているであろう利他主義の状態は、
現在でさえ、より高度な蟻の社会に存在する。

89 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/30(水) 21:28:38.61 ID:8E1rVpKj0
 近代思想の巨人達はこの疑問にいくつかの注釈を与えたが、中でも
最も偉大な者がこれに答えた──部分的な肯定だが。人類は倫理的に
蟻のそれに匹敵する文明のいくつかの状態に到達するだろうとハーバート・
スペンサー氏は確信を明言した──
「もしも我々が、生物の下層階級の中で、利他的活動が自分本意の活動の
ひとつとなるように、自然が体質的に大きく修正した場合、対応する条件の
元で一致の確認が人類の間で生じるだろうという避けられない意味を含む。
社会的な虫は最先端の実例を我々に提供する──そして実例を見せる、
実際に、それは個体の生活が驚くべきほどに、別の個体達の生活に役立つ
ことに没頭しているようだ……蟻や蜂のどちらも、我々がその言葉に与える
意味において、義務の感覚を持つとは想像できず、自己犠牲の継続的な経験
も、通常の言葉の意味としては想像できない……[真実]には要求を生む組織体
の可能性が含まれているよう我々には見える。まさしく活発な利他的な目的
の遂行が、別の場合には利己的な目的の遂行と変わらなく見えるだろう──
そんな場合はこう見える。利他的な目的は異なる側面の目的から追求されるが、
それは利己的にだ。組織体の要求を満たすために、他者の福祉に貢献する
この活動は継続されるに違いない……
……………………………………
「これまでのところ、それが真実であるから未来の全てにおいて継続されるはずだ。
利己心が他者への配慮に断続的に服従する、それは他者への配慮が最終的に
非常に大きな喜びの元となる場合から、予想に反して、その喜びが直接的な自分
本意の満足から広範囲に広がると推論できる……やがては、さらに利己主義と
利他主義が大きく融和し、一方が他方に溶け込む状態がやって来るだろう。」

90 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/30(水) 21:32:32.65 ID:8E1rVpKj0
五節目が終了しました。

残すところ、六節、七節です。
七節目は非常に短いですが、六節目が長くて踏ん張りどころです。
プロの翻訳と比較すると、文章の稚拙さは置いといて意味が違う
部分が有るので、原文と比較して納得できたら修正という場合が
有りそうです。

91 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/09(土) 13:12:19.84 ID:x7xOr+De0
六節目を始める前に>>81に有る
「蝉のメス」を「半女性」に変更

92 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/09(土) 13:15:40.70 ID:x7xOr+De0



 当然ながら、前述の予言は人間の本質が、この様々な階級に分化する
昆虫社会と同等の構造的な専門化が示すほどの生理的変化を、いずれは
経験するだろうとほのめかしている訳ではない。我々は、人間らしさが積極性
の大半を働かない少数派の選ばれし母親達に捧げる半女性から成る労働者
達やアマゾネス苦役となる将来を、思い描くよう要求してはいない。「未来の
人口」の章においてさえ、スペンサー氏は、より高度な道徳を産み出すための
肉体の改変の必然を詳細に述べるような試みはしていない──記述全般が
彼の徹底的な神経系や人間の繁殖力の大きな低下への考察であるにも
かかわらず、そのような道徳的進化は、生理的な変更に達するのはまったく
無視できない意味を持つだろうと連想させる。相互の善行の喜びが生活の
楽しみを代表する未来の人間性を信じるのが正しいとするなら、昆虫生物学が
証明した進化論的可能性の及ぶ範囲になる真実の生理的、道徳的な異なる
形質変化を推測するのも正しくはないのだろうか?……私にはわからない。
私はこの世界に今まで現れた最大の哲学者としてハーバート・スペンサー氏を
最も敬虔に尊敬するが、とても賢明な読書が総合哲学に触発されて推測
できた彼の教えを、何か反対に書き留めていたら非常に申し訳ない気持ちに
なるだろう。後に続く非難は私ひとりの責任であり、もし間違っているのなら
私自身の頭の罪としてほしい。

93 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/10/27(月) 19:25:43.49 ID:Duy6Qf+M0
 スペンサー氏に予測された道徳的形質変化は生理学的
変化と恐ろしい代償の助けを借りてのみ作用できると思う。
この倫理的条件は昆虫社会でできる何百万年かけてほとんど
の残酷な必然性に逆らい必死の努力を継続して到達した
状態に顕著だ。残酷に等しい必要性は人類が見い出すべきで、
いずれは修得するかもしれない。スペンサー氏は、人間が
受け入れられる苦痛の最大の時はまだ来ておらず、それは
人口の圧力が受け入れられる最大の時代に付属するだろうと
示してくれた。長期の圧迫の異なる結果の間に、人間の知能と
共感の膨大な増加があるが、この知能の増加は人間の繁殖を
犠牲にした上で成り立つだろうと私は解釈した。だが、この繁殖力
の減衰は、非常に高度な社会的状態を納得させるのに十分
ではなく、それは人間の苦悩の主要因であった人口の圧力を
解消するだけだ、と言われてきた。完璧な社会の均衡状態は
近づくだろうが、決して人類が完全に到達することは無いだろう
──経済上の諸問題を解消するいくつかの手法が発見され
なければ、ちょうど社会的な虫が性生活の抑制によって解消
したように。
 もしこのような発見が成されるならば、人類は大部分の若い
性の発育を阻止する決定をした方が良い──この力の移動に
よる効果のような、今要求された性生活による高度な活動の
発展は──あの蟻のように、多様性に富んだ状態を最終的な
結果とできないだろうか。かつ、そのような事件で、そのより
高い種において──男らしさより、むしろ女らしさの進化を
通して──どちらの性別でもない生き物の大多数が、実際に
次の人種を代表しないのだろうか。

94 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/10/27(月) 19:26:14.72 ID:Duy6Qf+M0
 現在でさえ、どれだけ多くの者が単なる利他的な動機(宗教
はいうまでも無い)から、自身に独身主義の宣告をし、より高度
に進化した人間愛が公共の福祉のため、特別優位な利益になる
のが確実に展望されるなら、気持ちよく性生活の大きな比率を
犠牲にするだろうとは、容易に信じられないとは見えないに
違いない。少なくともこのような利点は──人類が蟻の天性の
方法の後を追って、いつでも性生活を管理できるなら──寿命
の莫大な増加とはならないだろう。性を超越した高度な人間性
の形は、生命の千年の夢を実現できるかも知れない。
 既に我々は、成すべき仕事の余りにも小さな見本となる、絶えず
発見の進展を加速し、止むことの無い知識の拡大をする生命を
見付け、時が過ぎるほど、その生存の短さを、もっともっと後悔
する理由を見つけ出すだろう。科学が錬金術師の望む不老不死
の薬《エリクシル》をいずれ発見するようなことは極めて有り得ない。
宇宙の力は、誤魔化しを許さないだろう。全ての利益を許される
には、正当な代償を払うべきで、代償の無い永遠の法則は有り
得ない。おそらく長寿の代償は、蟻が払った代償が証明するだろう。
おそらく、いくつかのより古い惑星では、その代償は既に支払われ、
階級によって制限された子孫を産み出す力は、思いも寄らない
方法で種の残りから形態学的に分化しているのだろう……

95 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/10/27(月) 19:29:34.49 ID:Duy6Qf+M0
六節目終了です。
自分で翻訳していてナニですが、意味がよく分かりません(^^;
ここの文章は日本語として意味が通るようにしているつもり
ですが、通して読むと何を言いたいのかがよく分からなかったり
します。

後からじっくり校正する必要が有りそうです。

96 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/11/02(日) 10:15:34.14 ID:jt1TfccY0



 しかし、昆虫生態学の真実は未来の人間の進化の道筋に
関する非常に多くの示唆をするが、さらに宇宙の法則と倫理の
関係に対する何か極めて大きな重要性を示唆していないだろうか。
どうやら最高度な進化は、人間の道徳的経験が全領域で断罪した
有能さを生物に許さないだろう。どうやら最高に有りそうな力は強い
利他性であり、最高位の力は冷酷や肉欲には調和しないだろう。
おそらく神々は存在しないだろうが、存在の全ての形態を形成し
分解する力は、神々以上に厳しく見えるだろう。星々のやり方に
「劇的な意図」を証明するのは不可能だが、やはり宇宙の過程は
全ての人間らしい倫理制度の価値を人間の我欲と根本的に対立
する物と断言しているように見える。

97 :名前はまだない:2014/11/02(日) 10:19:02.31 ID:jt1TfccY0
七節目終了ですね。これで虫の研究「蟻」の翻訳が終わりました。
Kwaidanの翻訳は注釈が残るのみです。

その後は英文の校正をしながら、同時に訳文の校正をし、htmlファイル
にしてサイトへアップ。平行して奇談の翻訳も続けます。

1月くらいに全訳の「怪談」が電子書籍で出せると良いですがね。



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