怪談:妖しい物の話と研究


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ろくろ首他
1 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/02/24(月) 19:11:44.87 ID:aA9cS1+A0
【出版依頼】
【著者】ラフカディオ・ハーン
【翻訳者】小林幸治
【予定価格】100円
自分で出版するので、厳密には依頼では有りませんが、スレ立てサンプルとして
収録予定は「ろくろ首」「青柳の話」「安芸乃助の夢」は決定してます。
「虫の研究」を収録するかどうかは何とも言えません。

表紙にする「ろくろ首」の画像も募集します。
謝礼は表紙2000円、それ以外は1000円です
このスレッドへの画像投稿でお願いします。

表紙は横800ピクセル縦1200ピクセルにしますので、
それに近いサイズにして、文字を入れるスペース
も意識しつつお願いします。

採用の場合はレスをしますので、メールで送金方法と電子書籍に収録する時の
名前を連絡して下さい。
送金は銀行振り込みまたはAmazonギフトを考えています。
謝礼放棄の場合もこっそりメールして下さい。

48 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/16(金) 14:52:27.06 ID:v+OavURe0
 秋の蝶、友なければや人につく
(痩せた秋の蝶!仲間も無くとり残され、人の後を追う)
 追われても、急がぬ振りの蝶々かな
(ああ、蝶々!追いかけられている時も、決して急ぐ雰囲気がない)
 蝶は皆、十七八の姿かな
(蝶というものは、全てが十七八歳の見掛けを持つ)
 蝶飛ぶや、この世の恨み無きように
(蝶の運動の仕方は、まるでこの世界に恨みが存在しないようだ)
 蝶飛ぶや、この世に望み無いように
(ああ蝶々!その運動はまるで今の暮らしの状態に、それ以上何も望まないようだ)
 波の花に、止まりかねたる胡蝶かな
(波に咲く花では、実際に止まるのは難しそうに見える、悲しいかな蝶であっては)
 睦ましや、生まれ変われば野辺の蝶
(もし野原の蝶に生まれ変われたなら、一緒に幸せになれるかもしれない)
 撫子に、蝶々しろし誰《たれ》の魂《こん》
(ピンクの花に白い蝶がいる、それは誰の魂かと怪しく思う)
 一日の妻と見えけり、蝶ふたつ
(一日限りの妻がついに現れた──蝶の番《つがい》)
 来ては舞う、ふたり静かの胡蝶かな
(近づいて踊る、しかしその時会う二人はとても静かな蝶)
 蝶を追う、心持ちたし何時《いつ》までも
(蝶を追いかけたい気持ちは、いつまでも持っていたいものだ)
***

49 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/17(土) 05:58:19.02 ID:QhtQiAis0
 この蝶についての詩歌の見本を除いて、文学として同じ話題を扱った日本の
散文をひとつ風変わりな例として提供しよう。原文から意訳だけを試みたが、
それは「虫諌め」という物好きな古い本から見つけられ、蝶へ講話すると仮定
した形式になっている。しかし実のところ教訓的な寓話だ──社会的に持ち
上げたり落としたり道徳の重要性を示唆している──
「さて、春の大陽の下、風は優しく、花は桃色が真っ盛り、草は柔らかく、人々
の心は愉快。蝶々は喜びいさんで羽ばたき、そんなに沢山の者達が今、蝶に
ついてのチャイナの詩句と日本の詩句を作る。
「そしてこの季節、お蝶よ、まったくお前の輝く栄光の季節だ、そんなに綺麗な
お前以上の美しさは誰の世界にも存在しない。他の全ての虫達はお前を讃え
羨むのだから──その中でお前を羨まない者はまったく居ない。虫達は孤独
に羨望の眼差しをお前に向け、人間もまた羨望と讚美の両方をお前に向ける。
チャイナの蘇州の夢は、お前の姿に仮装し──鎖国の日本では、臨死状態
から、お前の姿をとって、その中に霊的実体を作り出す。またお前が招く羨望
も虫と人類が分けあうだけではない、魂の無い物でさえその姿をお前に変える
──大麦若葉が蝶に変化《へんげ》するのを見るがいい。

50 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/18(日) 15:38:38.89 ID:FZDHj4kn0
「だからこそ、お前は自尊心をくすぐられて、自身を思うだろう『この世の全て
に於いて、自分より優れたものは何も無い!』ははは!私はとても上手に
お前の心を推測できる、お前の身の程には過ぎた満足だ。だからこそお前は、
どんな風にもこのように軽やかに身をまかせて飛ぶ──だからこそお前は
じっとしたままではいない──いつもいつも思っている『誰の世界にも私ほどの
幸運の持ち主は居ない』
「だが今少し、お前自身の経歴について考えてみるがいい。思い出す価値がある、
そこには低俗な側面が有るのだから。何が低俗な側面かって?よろしい、お前は
生まれてから少なくない間、自分の姿に喜ぶほどの理由は無かったのだから。
その時のお前ときたら、ただのキャベツの虫、毛虫でとても貧相なお前は裸の
体に着る一枚の衣でさえ余裕が無く、まったく胸糞悪い外見だったのだ。この
日々のお前には誰もが嫌悪の視線を向けた。実際お前には自身を恥じて良い
理由が有って、そんな恥じたお前は身を隠す為に古い小枝と屑を集めて、隠れ
家を作り、それを枝にぶら下げた──それから誰もがお前を呼び叫ぶ『蓑虫《みのむし》
(レインコート虫)』その生活の期間のお前の罪は許し難い。綺麗な桜の木の
柔らかい緑の葉の間で、お前と仲間達はよってたかって、異常な醜さを作り
出し、期待の目の人々は、この美しい桜の木々を誉め讃えに遠く離れた所から
やって来たのに、お前を見て心を痛めた。なおかつ、これより憎むべき事でさえ
お前が犯人だった。お前はあの貧乏を知っていた、貧乏な男女達は畑で大根
を作っている──暑い大陽の下で苦労しながら耕作し、その大根の世話をする
為に彼らの心は苦痛で満たされ、お前はそこへ行く為に仲間をたきつけて、
その大根の葉っぱの上と、この貧乏な人々の他の野菜の上に集まる。貪欲で
あるがゆえにこれらの葉っぱを略奪し、全てを醜い形状にかじった──貧乏な
庶民の苦しみへの思いやりなどかけらも無い……そうだ、何という生き物だ
お前は、これがお前のやり方だ。

51 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/19(月) 11:14:53.86 ID:8Jf5ozG40
「そして今のお前は美しい姿をし、昔の仲間達を虫と見下す、彼らの誰かに
出くわす時はいつも、知らない振りをする(文字通り『素知らぬ顔を作る』)。
今のお前は裕福で身分の高い人々以外は友達に持ちたくない……ああ、
お前は昔を忘れてしまった、違うか?
「事実多くの人々がお前の過去を忘れてしまい、今の上品な形と白い羽の
外見に魅せられ、チャイナの詩歌と日本の詩歌がお前について書く。名門
の姫は以前の姿形のお前を見ることさえ我慢できないが、今は喜んで
見つめ、簪の上に止まらせたがり、可愛らしい団扇を、そこにお前が降りて
くれるよう期待して差し出す。だがこれは、私に古代チャイナのお前について
の可愛らしくもない物語の存在を思い出させる。

52 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/20(火) 03:14:05.72 ID:FMcSBIhc0
「玄宗皇帝の時代、帝国の宮殿は数百と数千の美しい婦人をかかえていた
──それほど沢山の、実際、彼女達の中から最上級の麗人を決めるのは、
どんな男であっても困難だったろう。そこで、この美しい者達全てを一斉に
ひとつ所に集めて、お前が彼女達の間を自由に飛び回れるようにし、髪留め
にお前が止まった乙女を威厳をもって後宮へと招くよう命令された。その時代
には皇后はひとりと決められていた──それは良い法律だ、が、お前のせい
で、玄宗皇帝はその地に多大な悪影響を与えた。お前の精神は軽薄で不真面目
なのだから、とはいえそれほど沢山の美しい女性の中にも心の清らかな者が
幾らか居たはずだが、お前は美人以外は捜さないだろう、そして最も美しい外見
をした者に向かって行く。したがって女性の出席者の多くは女の正しい在り方に
ついて考えるのを止めて、男達の目に華麗に見える方法を研究し始めた。その
結末が玄宗皇帝の哀れで苦痛に満ちた死だ──全てはお前の軽薄で不真面目
な精神のせいだ。実際お前の本当の性格は、他の問題行為から容易に見当が
つく。例えば、木が在るとしよう──常緑樹の楢《なら》と松のような──誰の
葉っぱも枯れずに落ちないが、いつでも緑のまま残っている──この硬い心の
木々は信頼できる性格だ。だがそれ達は堅苦しく形式的だとお前は言い、そいつら
の外見を嫌悪し、訪問することはない。桜の木と、海棠《かいどう》、芍薬《しゃくやく》、
黄色い薔薇だけには行くが、彼女らは派手な花を持つからお前好みで、機嫌をとる
ためだけの努力をするのだ。そのような行いを納得させようとは見苦しい。これらの
木は確かに立派な花を持っているが、空腹を満たす果実を持たず、贅沢と目立つ
のを好む者達だけにはありがたい。それはまさしくお前の羽根のはためきと優美な
形が喜ばれる理由だ──だからこそ彼らはお前に親切なのだ。

53 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/21(水) 09:47:46.10 ID:sSMBfGa30
「さて季節は春、お前は金持ちの庭を通ってふざけて踊るか、美しい桜の
花咲く小路の間を羽ばたきながら、ひとりごとを言う『世の中に私ほど大きな
喜びや、こんなに優れた友人を持つ者は誰も居ない。それに、全ての人達が
いうかもしれないけれど、私は最も芍薬を愛していて──黄金の薔薇は私だけ
の愛しい人で、彼女のどんなに小さな要求であっても従うでしょう、これが私の
誇りであり喜び。』……お前はそう言う。だが、華やかで優雅な花の季節は非常
に短い、すぐにしおれて落ちるだろう。それから夏の頃の暑さ、そこでは緑の
葉っぱだけになって、やがて秋風が吹くだろう、そうなれば葉っぱでさえそれ自身
が雨のように降りそそぐ、パラリパラリ。避けられない不運のように、この格言は
避けられない、『頼み木の下に雨ふる』(避難所と頼って居る木に雨は漏れ落ちる)。
お前は昔の友人を探し出そうとするだろうから、根切り虫や地虫に乞い願う、昔の
巣穴に戻らせて下さいと──だが今は羽根を持っている、お前は彼らのせいで
穴には入れないだろう、そうしてお前は天と地の間の何処にも体を避難する場所は
無いだろう、それに全ての灌木は枯れ果ててお前の舌を潤すひと滴の露でさえ
得られないだろう──死んで横たわる以外どうしようもない、全ては軽薄で不真面目
なお前の心のせいだ──しかし、ああ!どうにも嘆かわしい結末だ……」

54 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/22(木) 00:39:10.69 ID:GuWK7tiH0


 日本の蝶にまつわる話に登場するほとんどがチャイナに起源が有るかのように
私は言った。しかし土着であろう話がひとつ有り、それは極東に「純愛」は存在しない
と信じる人には為になる価値ある語りに見える。
 帝都の郊外にある宗参寺《そうざんじ》の墓地の背後に、高浜という名の老人が
住む一軒の小屋が長らく建っていた。彼は柔らかい物腰から近隣の人に好かれて
いたが、皆のほとんどは少しおかしな人だと思っていた。出家している男でなければ
結婚をして家族を養うものと期待されていた。だが高浜は信心の生活をしていないし、
結婚の説得もできなかった。また、かつてどこかの女性と恋愛関係にあったとも
知られていなかった。五十年以上まったく孤独に暮らしていたからだ。
 ある夏に彼は病気にかかり、もう長くは生きられないと知った。それから彼は未亡人
となっている義理の妹とそのひとり息子に連絡をとった──二十歳くらいの若者で彼は
たいそう可愛がっていた。どちらも即座にやって来て、手を尽くし老人の最期の時を
穏やかにできた。

55 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/23(金) 00:39:45.43 ID:SH8KVOgb0
 ある蒸し暑い午後、未亡人とその息子が寝床の傍で見守っている
間に、高浜は眠りに落ちた。その瞬間にとても大きな白い蝶が部屋に
入ってきて、病人の枕の上に止まった。甥は団扇で遠くへ追い払ったが、
すぐに枕まで戻ってきたので再び追い払うと、三回目まで戻ってきた。
それから甥が庭へ追いかけていくと、庭を横切り開いた門を通って寺に
隣接した墓地へ入っていった。だが先へと追い払われるのは気が進まない
ように、彼の前で羽ばたき続け、本当に蝶なのか魔ではないのかといぶかり
始めるほど怪しげな動きをとった。再び彼は追いかけていき、墓地の奥の
墓石に飛んでぶつかって見えるまでついていった──ひとりの女性の墓石
だった。そして説明のしようもない様子で消え去り、彼は虚しい捜索をした。
それから石碑を調査した。そこには「アキコ」という名前が記され、一緒に
馴染みのない苗字と共に享年十八歳と刻み込まれていた。どうやらその
墓は五十年くらい前に建てられたらしい、苔がその頃から重なりはじめて
いる。だが前には新鮮な花が有り、水入れは最近満たされ、よく手入れ
されていた。

56 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/25(日) 05:34:39.25 ID:AVtsBt2f0
 病室に戻った若者は、伯父の息が止んだ知らせを受け驚愕した。
死は苦しみも無く訪れて、その死に顔は微笑んでいた。
 若者は墓地で見てきたことを母親に語った。
「ああ」未亡人は声を上げた。「あれはアキコに違いないわ……」
「でも、アキコって誰、母さん」甥が訊ねた。
 未亡人は答えた──
「あなたの立派な伯父さんは、若い頃に近所の娘でアキコというとても
可愛らしい女性と婚約していたの。アキコは婚礼が約束された日の少し
だけ前に、肺の病で亡くなり婚約者はひどく悲しんだわ。アキコが埋葬
された後で、彼は決して結婚はしないと誓いを立て、この小さな家を
墓地のそばに建てた、そう、たぶんいつも彼女のお墓に近いから。全て
が起きたのは五十年以上前。そしてこの五十年間毎日──冬でも夏
でも同じように──伯父さんは墓地に通い、お墓に祈り、墓石を掃除
して、その前にお供えを置いていたの。だけど厄介事を作って何か
言われるのを好まなかったから、何も話さなかった……そう、最期に
アキコは来たのね、あの白い蝶は彼女の魂だった。」

57 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/26(月) 00:54:26.78 ID:mziF/NhA0


 私はもう少しで日本の古代の踊りに言及するのを忘れるところだった、
胡蝶舞といい、舞い手が蝶に扮装し皇居で行われる習慣があった。現在
でも時々踊られているのかどうかは知らない。それは習得するのが非常
に困難だと言われている。適切に演じるには六人の舞い手が必要とされ、
彼らは独特の形の動きをしなければならない──伝統的な規則に従って
足運びや姿勢や仕草を続け ──そして鼓《つづみ》と太鼓、小さな横笛と
大きな横笛、西洋の牧神《パン》に知られていない姿をした複数の管を集めた
楽器の音でお互いが非常にゆっくり旋回する。

58 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/26(月) 01:00:48.27 ID:mziF/NhA0
虫の研究「蝶」これにて終了です

次回より虫の研究「蚊」を投稿します
下訳段階ですが、全文翻訳は終わっていて現在は「蟻」
の翻訳途中だったりします

例によって校正していない物を投稿しますので
固有名詞や学名などは改めて調べる必要が有ります

59 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/27(火) 09:49:20.16 ID:cPCayl+l0


 自分の身を守るために私はハワード博士の本「モスキート」を読んでいる。
私は蚊の迫害を受けている。私の住む近くに幾つかの種類がいるが、奴らの
内のひとつだけは本当に悩みの種だ──小さな針状の物と全身に銀色の
小さな斑点と銀色の縞が入っている。刺された痛みは電気の火傷のように
鋭くて、プーンという単調な羽音は来るべき痛みの質について予言する──
特別な臭いが特別な味を示唆するのと同じくらい強烈に。この蚊はハワード
博士がステゴミア・ファスキエータやクラックス・ファスキエータスと呼ぶ生き物
に非常によく似ているのを発見したが、そいつの習性はステゴミアの物と同じだ。
たとえば、夜間よりむしろ日中に活動し、私とやっかいな事態になるのは大概が
昼間だ。そして私は発見したのだが、そいつは仏教徒の墓地からやって来る
──それも大変古い墓地で──庭の裏手にある。

60 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/28(水) 00:13:47.49 ID:FOZVq/NC0
 ハワード博士の本が明言するのは、蚊の棲みかを取り除くためには、
奴らが繁殖する淀んだ水に機械油か灯油を少しだけそそぐ必要がある。
週に一度油を使わなければならない「水の表面十五平方に一オンスの
割合で、面積に応じていくらか少なめに。」……だが私の近所の状態を
どうか考えてほしい。
 私の悩みの種は仏教徒の墓地からやって来ると言った。古い墓地では
墓石ごと、前の辺りに水置き場や水箱があって、水溜《みずため》と呼ばれ
ている。大半の場合この水溜は、墓碑を支える幅の広い台座に簡単な
楕円形の窪みが彫られているが 、お金のかかる種類の墓石は台座の
水槽を持たず、別にもっと大きな水槽が置かれていて、それはひと塊の
石から切り出され、一族の家紋か象徴の彫刻と共に飾り付けがされて
いる。最もつつましい階級の墓石の前には水溜が無く、水は茶碗か別の
容器に入れられる──死者には水が必要なのだ。花もまた彼らに供え
なければならないが、あなたはどの墓石の前にも一組の竹のコップか別の
花入れを見つけるだろう、これらは、当然ながら、水が入っている。墓への
水を調達するため墓地には井戸がある。死者の身内や友人が訪問する
たび、墓では新鮮な水が水槽やコップに注がれる。だが、この種類の
古い墓場には何千もの水溜と何万もの花入れがあって、中の水すべてを
毎日入れ替えたりはできない。それは澱んで密度が高くなる。深い水槽ほど
なかなか乾かない──東京の雨量は増えつつあり十二ヶ月の内の九ヶ月の
間それらを部分的に満たし続けるには十分だ。

61 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/29(木) 02:28:05.77 ID:A75hr9ju0
 そう、この水槽と花入れから私の敵達が生まれ、奴らは死者の
水から何百万にもふくれ上がる──仏教の教義に照らしてみれば、
奴らの内のいくらかは、生前の過ちから食血餓鬼《じきけつがき》の
有り様に堕ちた、正にこの死者の生まれ変わりかもしれない……
いずれにしてもクラックス・ファスキエータスの悪意は、いく人かの
邪悪な人間の魂が体の傷の嘆きに凝縮されていると疑うのは正しい
だろう……
 さて話を灯油に戻すが、あなたはいくつかの現場を澱んだ水の
表面全体に対して灯油の膜《まく》で覆《おお》い、蚊を根絶できる。
成虫の雌は死ぬ時に水へと寄って大量の卵を産み落とすから、
幼虫は息を上げて死ぬ。ハワード博士の本を読んだが、蚊から
解放されるための実際の費用は、人口一万五千のアメリカの
ひとつの町で三百ドルを超えない!……

62 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/30(金) 02:06:29.28 ID:ixOFpJ0+0
 私は不思議に思う、東京の市役所へ何か言っていれば──
積極的に科学的か進歩的のどちらかだと──すぐに仏教徒の
墓地の全ての水の表面を、定期的に灯油の膜で覆うべきである
と命令するだろう。どうやったら生活の救いを禁止する信仰が
できるだろうか──見えない生活ならなおさら──どんな命令に
屈するのか?そんな命令に従うために、子孫としての孝行心を
しく納得させる夢を見させられるだろうか?それに費用のことも
考えなくては、灯油を置く労働と時間、七日ごとに、数百万の
水溜と、数千万の竹の花入れ、東京中の墓所で!……できる
訳がない!蚊から都市を解放するには、古くからの墓所を
破壊しなくてはならない──それは付属の仏教寺院の滅亡を
意味するだろう──そして、たくさんの魅力的な庭園と一緒に
蓮池と梵字で記された記念碑、こぶだらけの橋、聖なる森、
不気味に微笑む仏像の消滅を意味するだろう!そう、
クラックス・ファスキエータスの根絶は先祖代々の宗教的
詩情を破滅に巻き込むだろう──大き過ぎる対価を支払うのは
確実だ!……

63 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/31(土) 09:36:04.28 ID:J14O7tX20
 そのうえ私は、時が来て古い種類の仏教徒のどこかの墓所に埋葬される
のを気に入るはずだ。従って私の霊的交友は古くあるべきで、流行と変化と
明治の崩壊には同意しない。あの庭の裏の墓地は、私に最適の地となる
だろう。非常な美しさと、大変風変わりな在る物の何もかもが美しい、木と
石がお互いに古風な形を作り、もはやどんな生者の脳にも存在しない古い
理想、影でさえこの時代と太陽ではなく忘れられた世界に、蒸気をまだ
知らない、電気や磁気──灯油も!大きな鐘の響きの中にも感情を目覚め
させる音色に古風な趣があり、私の全ての十九世紀的部分から遠く離れて
非常に不思議な、ほのかな見えない感動が恐れを生み出す──とても
楽しい恐れを。あの響きのうねりを聞いたことは無いが、認識できるように
私の霊的部分を、深淵に羽ばたかせて努力している──一兆の死と誕生
の朦朧とした彼方の光を思い出し到達しようともがく感覚。私はあの鐘が
聴こえる範囲に残れるよう願っている……そして、運悪く食血餓鬼の状態に
なる可能性を考慮すれば、私はどこかの竹の花入れか水溜の中に生まれ
変わる機会を得たい、そこから知人の何人かを噛むために、細くて鋭い
さえずりを優しく歌い出すかもしれない。

64 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/05/31(土) 09:40:48.19 ID:J14O7tX20
虫の研究「蚊」これにて終了です

KWAIDANの翻訳も残すところ虫の研究「蟻」のみとなりました。
「蟻」は現在最初の辺りを翻訳途中だったりしますが
数日間を置いて出来た所から投下していきます

65 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/05(木) 12:49:16.67 ID:Qf+w6LFJ0




 夜の大嵐が過ぎ去った後の今朝の空は、快晴で青がまぶしい。
空気──このかぐわしい空気!──は嵐で無数の松の大枝が
折れて、流れ出た甘い樹脂の匂いで満ちている。近所の竹薮で
私は法華経を讃える鳥の笛のような声を聞いた。その世界は
南風のおかげで非常に穏やかだ。さて今は残暑の続く夏が我々
にとっての現実で、風変わりな日本独特の色合いをした蝶が
辺りをひらひら飛び、蝉はぜーぜー喘ぎ、スズメバチは
ハミングし、ブヨは太陽の下で踊り、そして蟻は損壊した住居の
修理に忙しい……私は日本の詩を自分に置き換えて考えて
いる──行方なき、蟻の住まいや、五月雨
(今、可哀想な生き物が何処にも行く所が無い!……悲しい
かな蟻の住まいもこの五月の雨の中では!)

66 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/06(金) 10:00:11.22 ID:0TINjRkT0
 しかし、私の庭のこの大きな黒い蟻達には、特に同情が必要とは
見えない。そいつらは、大木が根こそぎにされ、家々は微塵に吹き
飛ばされ、道路が存在から洗われる中で、嵐を思いもよらない方法
で切り抜けた。まだ台風が来る前に、そいつらは地下の町への出入り
口を塞ぐより他は、予防措置をとらなかった。そして勝利した今日の
労働の光景は、蟻のエッセイを企てよと私を駆り立てる。
 私は論文を好きな何か古い日本の文献を前置きにするべきだった
──情緒的か哲学的な物を。だが全ての日本の友人達は、私のため
にその話題について捜し出せる──小さな価値ある若干の詩句を例外
とするが──それはチャイナの物だ。このチャイナの素材は主に
不思議な物語から成り、そのうちのひとつは私には価値有る引用に
見える──他に良い物が無いから。


67 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/07(土) 08:41:04.19 ID:18CVMxXf0
 チャイナの台州地方に、確かな女神を長年に渡って毎日熱心に
崇拝する、信心深い男がいた。ある朝、祈祷をしている間に、黄色い
衣を着た美しい女が部屋にやって来て、目の前に立った。彼はたいそう
驚いて、どうして断りもなく入って来たのか訊ねた。彼女は答えた
「私は人ではありません。あなたが長い間誠実に崇拝してきた女神です。
この度は、あなたの信心が無駄ではなかったと証明するためにやって
来ました……あなたは蟻の言葉を使いこなせますか?」崇拝者は
返事をした「私は卑しい生まれの無学の者にございます──学者でも
なければ言語に堪能な知り合いもございません。」この言葉に女神は
微笑み、懐から香箱のような形をした小さな箱を取り出した。箱を開け、
その中に指を浸すと、そこから何かの軟膏を付け男の両耳に塗った。
「さあ」彼女は言った「どこかで蟻を捜して、見つけたなら、かがんで
注意深くその話を聞いてご覧なさい。あなたにはそれが理解できて、
何かの役に立つ話が聞けるでしょう……ただこれだけは覚えておいて
下さい。蟻を怖がらせたり、苛立たせたりしてはなりません。」そう言い
残して女神は消え去った。

68 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/08(日) 09:48:45.18 ID:lWLwZz0v0
 男はすぐさま蟻を捜しに家を飛び出した。戸口の敷居を横切ると
すぐに、家の柱のひとつを支える石の上の二匹の蟻に気がついた。
彼は立ち止まり見下ろして聞き耳を立てると、驚いたことにその話が
聞こえ何を言っているか理解できるのが分かった。「暖まる場所を
捜しに行こうぜ」蟻の一匹が提案した。「何でまた暖まる場所を?」
別のが訊ねた──「この場所に何か不都合でも有るのか?」「そりゃあ
寒い上に湿っぽいじゃないか。」最初の蟻が言った。「ここには大きな
お宝が埋まっていて、お日さまの光じゃその辺を暖められないのさ。」
二匹の蟻が行ってしまうと、聞き手は鋤を取りに走った。柱の近くを
掘ってみると、金貨の詰まった大きな壷が多数出てきた。この宝の
発見は彼をたいそうな金持にした。
 その後しばしば蟻の会話に耳を傾けてみた。が、再びその話を聞く
ことはできなかった。女神の軟膏は彼の耳を神秘的言葉へと、一日
だけのために開いた。*
 さて、このチャイナの帰依者のように、私は生まれつき蟻の会話を
聞くことができない無学の者だと白状しなければならない。しかし
科学の妖精は時々私の目と耳を彼女の魔法の杖で触り、少しの間
だけ聞き取れないはずの物事が聞こえ、ごくわずかな物事が認識
できるようになる。

69 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/09(月) 10:35:26.99 ID:f8wC9QTA0



 それが不道徳であると考えられるのと同じ理由から、
さまざまな社会では、我々の物より倫理的に優れた
文明を作り出した非キリスト教徒の人々の話をする
ために、私が蟻について語ろうとするのを、ある者
たちは喜ばないだろう。しかし、私が常にこうありたいと
望めるよりも飛び抜けて賢明に、虫とキリスト教の祝福と
は無縁の文明について考える人がいる。私は
ケンブリッジ・ナチュラル・ヒストリーの最新号に勇気
付けられる物を見つけた。そこに掲載された
デヴィッド・シャープ教授の蟻に関する次の談話だ──
「この昆虫の生態における驚異的な事象の大分部が、
観察によって解明された。まったく我々は、彼らが多くの
観点から共同生活を営むための技術を、我々の種が
持つよりも完璧に獲得しているという結論を回避できない。
彼らはいくつかの産業と技術の修得が社会生活を大いに
円滑にするという点において、我々を先取りしている。」

70 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/10(火) 05:35:13.79 ID:RezSjq+L0
 私は少数の識者たちが、熟練の専門家によるこの分かりやすい
供述を議論するのではないかと思う。同時代の科学者は蟻や蜂に
対して感傷的にはなりにくいが、彼は社会的進化に関してこの昆虫
が「人を越えた」進歩を見せていると認めるのを躊躇しないだろう。
ハーバート・スペンサー氏には、誰もロマンチックな傾向を求めない
だろうが、シャープ教授よりもかなり先を行っていて、その蟻は経済性ば
かりではなく倫理的にも人類の先に位置した非常に深い意識が有ると
主張する──彼らは利他的な目的にひたすら忠実であることによって
生活している。実際にシャープ教授は蟻へのこの慎重な所見での称賛は
いく分か余計な認定をしている──
「この蟻の能力は人のような物ではない。それは個体よりむしろ種の
繁栄に忠実な、犠牲や共同体の利益に特化している。」

71 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/11(水) 14:37:23.89 ID:VEkTNeMS0
──明確な推論──個の進歩を公共の犠牲とするいくつかの社会的
状態は多くの望ましい物を捨て去る──おそらく現在の人間の観点から
は正しい。人間はまだ十分に進化していないのだから、人間社会は
個別化を進めることによって多くを得た。だが社会的昆虫への暗黙の
批判は問いかける。「個の進歩」ハーバート・スペンサー氏は言う
「社会的連帯と社会的な貢献になるこれは種の存続に貢献し、彼の
中では適切に両立する。」言い替えれば、個の価値は社会との関わり
のみとなり得るし、これを認め、社会のために個を犠牲にしようと、
善悪は社会がその構成員の進んだ個別化によって得るかもしれない
損得に依存するはずだ……しかし、やがて我々に見えるように、蟻社会の

72 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/12(木) 10:57:21.87 ID:FeHniHTw0
状態で最も注目に値するのは倫理的状態で、これは人間の批評を
越えて、彼らがスペンサー氏の言う道徳的進化の極致を自覚して
以来「利己主義と利他主義がしっかり融和したので他方に一方が
溶け込む状態」つまり唯一可能な楽しみが、無欲な行動を楽しむ
状態。あるいは再びスペンサー氏の言葉を借りれば、蟻社会の
活動は「共同体の福祉の為なら個の幸福は先送りに徹する活動、
それは個の生活が社会生活への配慮ができる間、必要とされる
限り、しばらく参加しているように見える……個々に適当な食べ物
と適当な休憩だけは摂るが、それは活力を維持する為には必要だ。」

73 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/15(日) 17:47:50.51 ID:J84dVVpn0



 私の読者には、この蟻の演芸と農業の習慣を知ってほしい、
彼らはキノコの栽培に熟練していて、さらに(現在知られている
限りでは)五百八十四種の異なる動物を飼育し、硬い岩を貫いて
トンネルを作り、子供たちの健康を脅かす大気の変化に対する
備えを知っていて、かつその長寿は虫にとっては例外的だ──
より高度に進化した種の仲間は相当な年数を生きる。
 だが、私が話したいことは、特にこれについてという訳ではない。
私が何について話したいかと言えば、凄まじい礼儀作法で、
恐ろしい蟻の道徳だ。我々の最高に凄まじい理想的行為でさえ
蟻の倫理を満たさない──進歩には時間がかかる──少なくとも
何百万年は!……私が言う「蟻」とは最も高度な種類の蟻で──
当然ながら、蟻全般ではない。およそ二百種の蟻はすでに知られて
いるが、ここに示す彼らの社会的組織では、進化の度合いがはなはだしく
異なる。間違いなく生物学的に最大級の重要事象であり、彼らの
倫理の主題の不思議な関連の重要性は小さくなく、最高度に進化した
蟻の社会の存在だけで役立つ研究となり得る。

74 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/17(火) 20:01:12.95 ID:hWsWVsjf0
 結局、蟻の長い寿命の生態に関係した道徳的価値と考えられる
ことは、数年後に書かれた。私は蟻の個々の性格を大胆に否定する
者は少ないだろうと思う。小さな生き物の意志疎通とまったく新しい
種類の障害を乗り越える知能と、それまでまったく経験したことのない
状態への適応は、独立した思考力の多くを証明する。だが確実に
言えるのは、この蟻は個体として純粋に自分本意の課題に対しては
無能である──私はありふれた意味で「自分本意」という言葉を使って
いる。貪欲な蟻、好色な蟻、七つの大罪のどれかや小さな許される罪に
でさえ有能な蟻は、考えられない。同様に考えられないのは、もちろん、
ロマンチックな蟻や観念的な蟻、風流な蟻、哲学的思索にふけりがちな蟻。
人間の心は、蟻の心の絶対的な本質に到達できなかった──人類は
今構成されたに等しく、蟻のように非常に完璧な実用的精神を修得
できなかった。だが、この最高度に実用的な精神は、道徳的な間違いが
できない。蟻が宗教的観念を持たないと証明するのは、おそらく、困難
だろう。しかし、そのような観念は、間違い無く役に立てられない。道徳的な
弱さを実行できないのは、「精神的指導」の必要性を越えている。

75 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/20(金) 17:05:54.99 ID:iiHytwor0
翻訳は止まってますねorz

「知られざる日本の面影」あたりをブラウザ翻訳で拾い読みして、考えるに
蟻の冒頭の

>法華経を讃える鳥の笛のような声

これは、ウグイスのホーホケキョではないかと、思えるのですが
ホーホケキョ→ホー法華経

だとすると続く

>残暑の続く夏

は誤訳の可能性が高くなります。
台風の季節だと秋口な気もしますが調べ直す必要が有りそうです。

三節目の「演芸」は「園芸」の間違いですね。蟻の演芸というのも
見てはみたいですが

76 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/27(金) 11:19:56.53 ID:vxMpM4zX0
 漠然とした方法でのみ、我々は蟻社会の性格と蟻の自然な
道徳を考えられるが、これをする為になお我々は人間社会と
人間の道徳のまだ多少なりとも可能な状態を想像してみる
べきだ。それでは、休みなく猛烈に働く人々で埋め尽くされた
世界を想像してみようではないか──その全てが女性である
かのように見えてくる。この女性たちに、体力の維持に必要と
する以上の食べ物を摂取するような説得や誘惑はひとかけらも
できなかった。そしてよく働けるような神経組織を維持するのに
必要以上の余分な睡眠は決して摂らない。彼女たちの全ては、
最小限のどうでもいい道楽が、何らかの目的の障害となって
しまい得る非常に特異な構成だ。

77 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/29(日) 09:41:27.41 ID:DMpdFvxj0
 日々の仕事はこの女性労働者による道路作り、橋の建造、
材木の製材、無数の種類の建物の構築、園芸と農業、百品種
の家畜の屋内誘導と飼育、様々な化学製品の製造、数え
切れない食品の保管と維持、種族の子供たちの世話といった
構成によって遂行される。この勤労の全ては共和国のために
成される──国家社会に等しい状況を除外してしか「財産」に
ついて考えられないなら市民ではない──共和国の唯一の
目的は若者たちの養育と訓練──そのほぼ全てが少女である。
幼少の時期は長い、かなりの間子供のままであり、無力なだけ
ではなく、形が定まらず、そのうえかなり繊細なので、ごく小さな
温度の変化に対してさえ非常に慎重な注意を払わなくてはならない。
幸いにしてこの看護婦たちは健康の法則を理解している。それぞれが、
換気、消毒、排水、湿気と病原菌の脅威など知っているべき
配慮の全てに徹底した知識が有る──病原菌は、おそらく目に
見えている、彼女の近視の視界では顕微鏡を通した我々の目
そのものと同じになる。実際に全ての衛生面の問題は非常に
よく理解されていて、周辺の衛生状態について今まで看護婦が
間違いを犯した事がない。

78 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/06/30(月) 09:35:28.48 ID:pcBooQBZ0
 この永久に続く勤労にもかかわらず、労働者は櫛を入れない
ままではなく、それぞれが一日に何度も化粧をし、こざっぱりと
身だしなみを整えている。しかし、全ての労働者が櫛とブラシの
うちで最も美しい物を生まれつき手首に備えてはいるが、化粧室
で時間は浪費されない。そのうえ自分自身で厳しく清潔を保ち、
労働者は子供たちのために家屋と庭も完全無欠に整理し管理
しなくてはならない。地震や噴火、洪水、命がけの戦争でも
なければ、塵《ちり》払いや掃き掃除、拭き掃除、消毒といった
日常業務の中断は許されない。

79 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/01(火) 13:59:14.73 ID:22qNq4V90
三節まで終了してます。ここまでの所で「安芸乃助の夢」と
大体同じくらいの量ですが、半分に到達するには少し足りない
といった所です。
実はKWAIDANに収録されている話の中では、この「蟻」が
一番長いです。

では四節を始めますが、一部norのかかる範囲がよく分からない
ので、間違っているかもしれません

80 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/01(火) 14:01:39.82 ID:22qNq4V90



 ここで不思議な事実を──
 この世界の絶え間ない労役はローマの女神ウェスタの世界以上だ。
その中に時々男を見掛けるのは事実だが、ごく特別な季節にのみ現れ、
労働者や仕事と共に行うための何も持っていない。彼らのうち敢えて
労働者に話しかける者はいないだろう──おそらくは、危機を共有する
異常な状況下でもない限り。それに、労働者は男と話すつもりは無い
だろう──男にとってこの変わった世界は、下位の存在で、闘争や
労働はどちらもできず、必要悪としてだけ容認している。女のひとつの
特権階級──種族の選ばれし母親達──は特別な季節のごく短い
時期の間、配偶者として男にかしずく。だが、選ばれし母親達は働かず、
ほとんどの夫を受け入れる。労働者は男と付き合う夢を見ることさえ
できなかった── このような交際は最もくだらない時間の無駄を
意味するだろうからだけではなく、労働者は全ての男に必ず言い様の
無い侮蔑の眼差しを向けるからでもないが、労働者は結婚する資格が
ないからだ。いくらかの労働者には確実に単性生殖の能力が有って
父親の無い子供を生む。原則だからとはいえ、道徳的本能に限定して
見れば労働者は本当に女らしい、彼女は我々が「母性」と呼ぶ優しさと
忍耐と先見の明の全てを持っているが、仏教伝説の龍の聖女の性の
ように、その性別が消失している。

81 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/02(水) 18:24:12.39 ID:Tsv0y0oB0
 捕食生物や敵国に対する防衛のため、労働者が武器を
配布した上で、大きな軍隊が防御にまわる。この戦士は
労働者とは比較しようもないほど大きい(少なくともいくつか
の共同体では)一見しただけでは、それが同じ種族だと
信じるのは難しい。保護する労働者より百倍以上大きな
兵士は珍しくない。だがこの全ての兵士はアマゾネスだ
──あるいはもっと正確に話せば蝉のメスだ。彼女達は
力強く働けるが、戦闘と主に重い物を引っ張るために頼り
にされていて、その存在価値がこれらの方面に制限されて
いるのは、力よりむしろ技能が必要とされるからだ。

82 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/04(金) 09:53:47.14 ID:ROfV2+E20
[おそらく大部分がそれほど単純ではないのだろうが、どうして男よりも
女が兵隊と労務者において進化論的に特化したのだろう、という疑問が
出てくる。それには大きな自信を持って答えることはできない。が、自然
経済の観点から問題を解決できる。生命の多くの形態では、大きさと
エネルギーの点ではメスがオスより大いに優れている──おそらく、
この場合では、完全なメスに本来備わっていた生命力のより大きな
備蓄は特別な戦闘階級の育成のために、より迅速かつ効果的に
利用されたのかもしれない。豊穣なメスに存在する生命を与える
ことに消費されるであろうエネルギーの全てが、ここでは攻撃的な
力や労働の才能の進化のために転用されたように見える。]

83 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/05(土) 09:24:50.23 ID:xiLSZg3i0
 正真正銘の女──選ばれし母親達──は実のところ非常に少ない、
これらは女王のように扱われる。要望をするようなことはほとんど無い、
非常に頻繁かつ大きな敬意が、彼女達を待っていた。生活の世話の
ことごとくが、彼女達を安心させた──子孫を残す義務を除いて。夜も
昼も考えられる仕方の全てで世話をされる。それは単独で有り余るほど
豪華に与えられた──子孫の利益のために、彼女達は王として適切に
食べて飲んで休息しなければならず、その生理的な特殊化は、この
ような耽溺の自由が認められている。彼女達が外出することは、ほとんど
無い、強力な護衛でも伴わない限り絶対に無い、同様に無用な疲労や
危険を招くようなことは許されない。おそらく彼女達は外出には大した
欲求を持っていないだろう。彼女達を中心にして種族の活動が行わ
れる。その全ての知能と労働と節約は、単にこの母親達とその子供達の
福祉に向けて管理される。

84 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/06(日) 09:45:35.27 ID:8r9zP1Kq0
 しかし、種族は最下位に、この母親達の夫を位置付ける──必要悪
なのだ──男というものは。彼らは特別な季節にのみ現れるのは既に
観察したが、その生涯は非常に短い。高貴な家柄の自慢など少しも
できないにもかかわらず、王族との婚姻が運命付けられていた。彼らは
王族の子孫ではないが、処女から生まれたから──単性生殖の子供
──特にその理由から、劣等な存在、いくらか不可解な隔世遺伝の
偶然の産物だ。だが男達の内のいくらかは、選ばれ共和国から許容
されるが数は少ない──選ばれし母親達の夫として仕えるのに、
かろうじて足りる程度で、この少数は任務が終了するとほとんど間を
置かず死滅する。自然の法則が意味するこの驚くべき世界は、
ラスキンの教える努力の無い生活は罪悪と一致し、男は労働者や
戦士のようには役に立たないから、その生存の重要性は一時的に
しかない。実のところ彼らは犠牲にされたのではない──テスカ・ポリトカ
の祭りに選ばれ、心臓をえぐり取られる前の二十日間新婚生活が許された
アステカの生け贄のように。しかし、彼らの高度な幸運の中では、大した
不幸ではない。想像してほしい、王の一夜の花婿となるよう運命付け
られた知識で育てられた若者達を──婚礼の後では生きていく
道徳上の権利を持たないだろう──その婚礼は彼らの全ての
それぞれに、死の確信を物語るだろう──それは彼らの若い未亡人
に嘆き悲みを望むことさえできない。彼女達は多くの世代の彼らの
一回のために生き残るだろう……!

85 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/06(日) 09:49:37.43 ID:8r9zP1Kq0
四節目まで終了しました
終盤脱字と意味が分かりにくい部分が有るっぽいので
電子書籍やサイト上にアップする時は修正を入れます

86 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/16(水) 19:22:23.98 ID:cheo8nqD0



 しかし、前に述べた全ては「虫の世界のロマンス」の序文にしか
過ぎない。
──この驚くべき文明に関係する、最大に驚愕する発見は性の
抑制だ。確かに蟻の生活の進歩した形態では、個体の大多数に
おいて性行為は完全に消失する──性生活が見られるより高位の
蟻社会ほぼ全域において、種の継続のために必要不可欠な範囲
にしか存在しない。しかし、生物学的事実は、それ自体が提示する
倫理的暗示に比べたらそれほど大したことでもない──この事実上
の抑制や、性的能力の規制は自主的に出現しているからだ!少なく
ともその種に関する限り自主的だ。現在信じらているのは、その素晴
らしい生き物達は発展か、若い性の発展の阻害の仕方を学んだと
いうことだ──いくつかの栄養学的方法から。それらは本能のうちで
最も力強く制御不能と一般に思われている物を完璧な管理下に置く
ことに成功した。かつこの厳格な禁欲生活への必要な制限の範囲で
絶滅に対する備えは、種の多くの重要な経済的効果の内のたった
ひとつ(ではあるが最も驚くべきもの)だ。自分本意の喜びのための
あらゆる能力──「自分本意」の言葉は普通の意味で──は、生理的
な改変を通して等しく抑制された。自然な欲望に耽るのは、直接的か
間接的にでもそのような耽溺が、種の利益になる場合でなければ、
全くできない──必要不可欠な食事や睡眠でさえ、健全な活動を
維持するため正確に必要な程度に限定して満足している。個々は
務めと考えが公共のためになる場合だけ生存でき、共同体は宇宙の
法則が許す限り、愛か飢餓のどちらかによる自身の支配を勝ち誇る
かのように拒絶する。

87 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/18(金) 16:04:20.96 ID:5JGGok6t0
 我々の大部分は、何種類かの宗教的な教義──将来の褒美への
希望や将来の罰への恐れ──無しでは文明は存在し得ないという
信念の元に育てられた。我々が考えるよう教わってきたのは、道徳
思想に基づく法律の不在や、そういった法律を執行するのに有効な
警察が無い状態では、全ての他人の損害に対し、ほとんど全ての人
は、彼や彼女の個人的な利益だけを求めるだろう。強者はそれから
弱者を滅ぼし、哀れみと同情は消え去り、社会構造全体が粉々に
なって落ちていくだろう……この教えは、人間の本質は不完全な存在
だという、明白な真実を抱えていると白状する。しかし、この真実を
最初に宣言した何千年も前の人達は、利己的行動が生まれつき
不可能になる社会の存在形式を全く想定していなかった。それは
積極的な善行の喜びが義務の思想を不要にする社会は存在できる
という、疑いようの無い証拠を伴った無宗教な自然を我々に提供する
ために残された──天性の道徳が全ての倫理的規則を不要にできる
社会──全員が完全に利他的に生まれ、精力的に優秀な社会、
それは最年少の者にさえ道徳の鍛練が時間を浪費せず過不足無く
できると意味する。

88 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/21(月) 23:02:02.40 ID:VZq33DS50
 進化論者には、こういった真実は必ず示すが、それは我々の道徳的
理想主義の価値は一時的なものでしかなく、美徳よりも、優しさよりも、
自制よりも──この表現で現在の人間が意味付ける──良い何かは、
確実な条件の元では、いずれそれに取って換わるかもしれない。どちらに
しろ彼は道徳の概念の無い世界は、そうした概念によって素行が規制
された世界より道徳的には良くないかもしれないという疑問に直面せざる
を得ないと自身で気が付く。彼はさらに我々自身を取り巻く宗教的な戒律
と道徳規定と倫理基準が、我々はまだ社会的進化の非常に原始的な
段階にあるのではないと証明するのかどうか自問するはずだ。そして
この疑問は自然に別の方へと向かう。人類は常に有能だろうか、この
惑星上で、倫理の状態の彼方のその理想の全てへ到達するために──
我々が現在悪と呼ぶことごとくが存在から衰退していき、我々が美徳と
呼ぶことごとくが本能へと変換していく状態における──倫理の概念と
規定がそれと同じように不要となっているであろう利他主義の状態は、
現在でさえ、より高度な蟻の社会に存在する。

89 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/30(水) 21:28:38.61 ID:8E1rVpKj0
 近代思想の巨人達はこの疑問にいくつかの注釈を与えたが、中でも
最も偉大な者がこれに答えた──部分的な肯定だが。人類は倫理的に
蟻のそれに匹敵する文明のいくつかの状態に到達するだろうとハーバート・
スペンサー氏は確信を明言した──
「もしも我々が、生物の下層階級の中で、利他的活動が自分本意の活動の
ひとつとなるように、自然が体質的に大きく修正した場合、対応する条件の
元で一致の確認が人類の間で生じるだろうという避けられない意味を含む。
社会的な虫は最先端の実例を我々に提供する──そして実例を見せる、
実際に、それは個体の生活が驚くべきほどに、別の個体達の生活に役立つ
ことに没頭しているようだ……蟻や蜂のどちらも、我々がその言葉に与える
意味において、義務の感覚を持つとは想像できず、自己犠牲の継続的な経験
も、通常の言葉の意味としては想像できない……[真実]には要求を生む組織体
の可能性が含まれているよう我々には見える。まさしく活発な利他的な目的
の遂行が、別の場合には利己的な目的の遂行と変わらなく見えるだろう──
そんな場合はこう見える。利他的な目的は異なる側面の目的から追求されるが、
それは利己的にだ。組織体の要求を満たすために、他者の福祉に貢献する
この活動は継続されるに違いない……
……………………………………
「これまでのところ、それが真実であるから未来の全てにおいて継続されるはずだ。
利己心が他者への配慮に断続的に服従する、それは他者への配慮が最終的に
非常に大きな喜びの元となる場合から、予想に反して、その喜びが直接的な自分
本意の満足から広範囲に広がると推論できる……やがては、さらに利己主義と
利他主義が大きく融和し、一方が他方に溶け込む状態がやって来るだろう。」

90 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/07/30(水) 21:32:32.65 ID:8E1rVpKj0
五節目が終了しました。

残すところ、六節、七節です。
七節目は非常に短いですが、六節目が長くて踏ん張りどころです。
プロの翻訳と比較すると、文章の稚拙さは置いといて意味が違う
部分が有るので、原文と比較して納得できたら修正という場合が
有りそうです。

91 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/09(土) 13:12:19.84 ID:x7xOr+De0
六節目を始める前に>>81に有る
「蝉のメス」を「半女性」に変更

92 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/09(土) 13:15:40.70 ID:x7xOr+De0



 当然ながら、前述の予言は人間の本質が、この様々な階級に分化する
昆虫社会と同等の構造的な専門化が示すほどの生理的変化を、いずれは
経験するだろうとほのめかしている訳ではない。我々は、人間らしさが積極性
の大半を働かない少数派の選ばれし母親達に捧げる半女性から成る労働者
達やアマゾネス苦役となる将来を、思い描くよう要求してはいない。「未来の
人口」の章においてさえ、スペンサー氏は、より高度な道徳を産み出すための
肉体の改変の必然を詳細に述べるような試みはしていない──記述全般が
彼の徹底的な神経系や人間の繁殖力の大きな低下への考察であるにも
かかわらず、そのような道徳的進化は、生理的な変更に達するのはまったく
無視できない意味を持つだろうと連想させる。相互の善行の喜びが生活の
楽しみを代表する未来の人間性を信じるのが正しいとするなら、昆虫生物学が
証明した進化論的可能性の及ぶ範囲になる真実の生理的、道徳的な異なる
形質変化を推測するのも正しくはないのだろうか?……私にはわからない。
私はこの世界に今まで現れた最大の哲学者としてハーバート・スペンサー氏を
最も敬虔に尊敬するが、とても賢明な読書が総合哲学に触発されて推測
できた彼の教えを、何か反対に書き留めていたら非常に申し訳ない気持ちに
なるだろう。後に続く非難は私ひとりの責任であり、もし間違っているのなら
私自身の頭の罪としてほしい。

93 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/10/27(月) 19:25:43.49 ID:Duy6Qf+M0
 スペンサー氏に予測された道徳的形質変化は生理学的
変化と恐ろしい代償の助けを借りてのみ作用できると思う。
この倫理的条件は昆虫社会でできる何百万年かけてほとんど
の残酷な必然性に逆らい必死の努力を継続して到達した
状態に顕著だ。残酷に等しい必要性は人類が見い出すべきで、
いずれは修得するかもしれない。スペンサー氏は、人間が
受け入れられる苦痛の最大の時はまだ来ておらず、それは
人口の圧力が受け入れられる最大の時代に付属するだろうと
示してくれた。長期の圧迫の異なる結果の間に、人間の知能と
共感の膨大な増加があるが、この知能の増加は人間の繁殖を
犠牲にした上で成り立つだろうと私は解釈した。だが、この繁殖力
の減衰は、非常に高度な社会的状態を納得させるのに十分
ではなく、それは人間の苦悩の主要因であった人口の圧力を
解消するだけだ、と言われてきた。完璧な社会の均衡状態は
近づくだろうが、決して人類が完全に到達することは無いだろう
──経済上の諸問題を解消するいくつかの手法が発見され
なければ、ちょうど社会的な虫が性生活の抑制によって解消
したように。
 もしこのような発見が成されるならば、人類は大部分の若い
性の発育を阻止する決定をした方が良い──この力の移動に
よる効果のような、今要求された性生活による高度な活動の
発展は──あの蟻のように、多様性に富んだ状態を最終的な
結果とできないだろうか。かつ、そのような事件で、そのより
高い種において──男らしさより、むしろ女らしさの進化を
通して──どちらの性別でもない生き物の大多数が、実際に
次の人種を代表しないのだろうか。

94 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/10/27(月) 19:26:14.72 ID:Duy6Qf+M0
 現在でさえ、どれだけ多くの者が単なる利他的な動機(宗教
はいうまでも無い)から、自身に独身主義の宣告をし、より高度
に進化した人間愛が公共の福祉のため、特別優位な利益になる
のが確実に展望されるなら、気持ちよく性生活の大きな比率を
犠牲にするだろうとは、容易に信じられないとは見えないに
違いない。少なくともこのような利点は──人類が蟻の天性の
方法の後を追って、いつでも性生活を管理できるなら──寿命
の莫大な増加とはならないだろう。性を超越した高度な人間性
の形は、生命の千年の夢を実現できるかも知れない。
 既に我々は、成すべき仕事の余りにも小さな見本となる、絶えず
発見の進展を加速し、止むことの無い知識の拡大をする生命を
見付け、時が過ぎるほど、その生存の短さを、もっともっと後悔
する理由を見つけ出すだろう。科学が錬金術師の望む不老不死
の薬《エリクシル》をいずれ発見するようなことは極めて有り得ない。
宇宙の力は、誤魔化しを許さないだろう。全ての利益を許される
には、正当な代償を払うべきで、代償の無い永遠の法則は有り
得ない。おそらく長寿の代償は、蟻が払った代償が証明するだろう。
おそらく、いくつかのより古い惑星では、その代償は既に支払われ、
階級によって制限された子孫を産み出す力は、思いも寄らない
方法で種の残りから形態学的に分化しているのだろう……

95 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/10/27(月) 19:29:34.49 ID:Duy6Qf+M0
六節目終了です。
自分で翻訳していてナニですが、意味がよく分かりません(^^;
ここの文章は日本語として意味が通るようにしているつもり
ですが、通して読むと何を言いたいのかがよく分からなかったり
します。

後からじっくり校正する必要が有りそうです。

96 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/11/02(日) 10:15:34.14 ID:jt1TfccY0



 しかし、昆虫生態学の真実は未来の人間の進化の道筋に
関する非常に多くの示唆をするが、さらに宇宙の法則と倫理の
関係に対する何か極めて大きな重要性を示唆していないだろうか。
どうやら最高度な進化は、人間の道徳的経験が全領域で断罪した
有能さを生物に許さないだろう。どうやら最高に有りそうな力は強い
利他性であり、最高位の力は冷酷や肉欲には調和しないだろう。
おそらく神々は存在しないだろうが、存在の全ての形態を形成し
分解する力は、神々以上に厳しく見えるだろう。星々のやり方に
「劇的な意図」を証明するのは不可能だが、やはり宇宙の過程は
全ての人間らしい倫理制度の価値を人間の我欲と根本的に対立
する物と断言しているように見える。

97 :名前はまだない:2014/11/02(日) 10:19:02.31 ID:jt1TfccY0
七節目終了ですね。これで虫の研究「蟻」の翻訳が終わりました。
Kwaidanの翻訳は注釈が残るのみです。

その後は英文の校正をしながら、同時に訳文の校正をし、htmlファイル
にしてサイトへアップ。平行して奇談の翻訳も続けます。

1月くらいに全訳の「怪談」が電子書籍で出せると良いですがね。



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