怪談:妖しい物の話と研究


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奇談
1 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/04(月) 15:16:03.69 ID:XRRvBaIb0
【出版依頼】
【著者】ラフカディオ・ハーン
【翻訳編集】小林幸治
【予定価格】100円

小泉八雲の「怪談」に収録されていない、霊的な話や不思議な話を収録して
電子書籍にします。

話の画像はいつでも募集してます。謝礼はカラー2000円、モノクロ1000円、
著作権は絵師に残り、私に利用権を与え、著作権者は他所で利用しても良い
という方向です。

2015/03/09修正と追記
内容を追加した改訂版の無料アップデートはKindleの規約上不可能であると分かりました
14話程度で1冊作り3巻の電子書籍にする予定です
最後に全話まとめて1冊作り、計4冊にしようかと思います

2 :化け蜘蛛1 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/04(月) 15:19:26.80 ID:XRRvBaIb0
化け蜘蛛

 かなり昔の本では、日本にはたくさんの化け蜘蛛がいたと言う。庶民の
何人かは、まだ化け蜘蛛は居ると主張する。そいつらは昼の間は普通の
蜘蛛と変わらないが、夜がかなり更けて、誰もが眠りにつくと、とても、
とても大きくなって、恐ろしい事をする。化け蜘蛛はまた、人の姿をとる
不思議な力を持つとうわさされ──そうして人々を欺く。そういった蜘蛛に
ついての有名な日本の話が有る。

3 :化け蜘蛛2 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/04(月) 15:21:11.24 ID:XRRvBaIb0
 かつて村の淋しいところに、化け物が出る寺が有った。その建物には
化け物がとり憑いているせいで、誰も住むことができなかった。化け物を
退治するために何度か勇敢な侍がその場所に向かった。だが寺に入った
後に再び話を聞くことは無かった。
 勇気と賢明さで名高い最後のひとりは、夜の間に寺を見張りに行った。
そして、そこまで付き添った人達に言った──「朝になってもまだ生きて
いたら、寺の鐘を鳴らしてやろう。」それから提灯の明かりを頼りに、ひとり
で見に行った。

4 :化け蜘蛛3 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/04(月) 15:24:28.73 ID:XRRvBaIb0
 夜が更けた頃、彼はほこりまみれの仏画に見守られた祭壇の下に身を
かがめた。夜半を過ぎるまでは、おかしな物は何も見えず、物音ひとつ
聞こえなかった。それから体が半分だけのひとつ目の化け物がやって
来て言った。「人臭い」だが侍は動かなかった。化け物は去った。
 それから坊さんがやって来て三味線をとても上手に弾いたが、これは
人の演奏ではないと侍は確信した。すぐに刀を抜いて跳び上がった。
坊さんは彼を見て大声を出して笑いながら言った──あんたはわしが
化け物だと思いますかね、なんてこった、わしはこの寺のただの坊主
ですが、化け物を近づけないために演奏していました。──この三味線の
音はお気に召しませんでしたか、少し弾いてくださいな。」
 そして彼が差し出す楽器を侍はとても慎重に左手で握った。だが三味線
は即座に巨大な蜘蛛の糸に変わり、坊さんは化け蜘蛛になって、武士は
左手からしっかり蜘蛛の糸に捕らえられた自分自身に気が付いた。彼は
勇敢に暴れ、蜘蛛を刀で斬りつけ、傷を負わせたが、すぐに網の中で絡まって
しまいじっとするよりなく、動けなくなった。
 けれども負傷した蜘蛛は、のろのろと逃げていった──そして日が昇った。
少ししてから人々がやって来て、恐ろしい網の中の侍を見つけ出し解放した。
彼らは床の上の血の痕を見つけ、跡をたどっていくと寺の外の人気の無い
庭に穴が有った。穴の外には恐ろしい唸り声が出ていた。彼らは穴の中に
負傷した化け物を見つけて、それを殺した。

5 :小林 ◆YAKUMOZcw.:2014/08/04(月) 15:35:03.53 ID:XRRvBaIb0
Japanese Fairy Tale SeriesのThe Goblin Spiderという絵本からの
話でした。

Fairy Taleという言葉を直訳すれば妖精譚ということになりますが、
妖精が出てくる話は無いので、お伽噺という事でしょう。

元々が絵本の為に書かれた話なので、文章だけを読むと少し物
足りない感じがします。

元の絵本は全ページがネット上に存在しますので、探して見ながら
この翻訳を読むと面白いと思います。



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